カタールの人々はフレンドリー!
ドイツ在住で、モータースポーツを中心に取材するためヨーロッパを東奔西走している池ノ内みどりさん。アメリカ・デイトナ24時間レースに続き、FIA世界耐久選手権(WEC)の取材のため、カタールへ飛びました。現地のクルマや交通事情などをリポートします。
日本ではその名が消えた日産「サニー」が大活躍
先日、私にとって初となる中東のカタールへ、WEC(FIA世界耐久選手権)の取材で行ってきました。ドバイやアブダビは飛行機の乗り換えで空港を利用したことがありましたが、カタールは初上陸でワクワクしました。
一緒に行動をしていた友人は別のホテルに宿泊していたこともあり、毎日レンタカーの日産「サニー」で送り迎えをしてくれていました。私の宿泊していたホテルの前で観察していると、とんでもなく大きなSUVが続々と現れます。
例えば、私の住むミュンヘンで開発されたBMW「X7」やロールス・ロイス「カリナン」はとても巨大。ドイツの街の狭い道でこれらの巨大SUVはミスマッチな感じに見え、一体誰が乗るのだろう? と思っていました。やっとそれらの巨大SUVの需要が中東にあるということを理解。日本車ではトヨタの「ランドクルーザー」、通称ランクルがこれでもか、というほどに数多く走っていたのがとても印象的でした。
ドイツでもランクルは一応売っているようなのですが、見掛けることが全くないだけに、ランクルだらけのカタールにビックリ。ほかの中東の国々でも人気なのでしょうか?
私たちが借りたレンタカーは、懐かしの日産「サニー」。ドイツでは売っていない車種ですが、調べたら日本でももう売っていないのですね。カタールでは数多くのサニーを見掛けました。いまも世界のどこかで日本車が愛用されていることが嬉しいですよね。巨大な超高級SUVが多い中、日本でもヨーロッパでも見たことのない中国車両も多く見掛けたのですが、その人気の理由は何でしょう……。
2022年に開催されたサッカーのFIFAワールドカップや、2024年1月に開催されたアジアカップでも日本選手らが活躍した、収容数が8万人を誇る金色に輝くルイサル・スタジアムがサーキットへ向かう道中にあり、毎日眺めていました。ほかにもカタールには7つのスタジアムがあるそうです。
街の中心地は交通量が多く混雑をしていますが、ルイサル・スタジアムやサーキットへ向かう北部の高速道路はいつもガラガラ。ガラガラな所はスピード超過も赤信号無視もしやすいからか、オービスが数多く設置されていて、私たちはいつも慎重に走っていました。カタールの交通違反の罰金は非常に高額だと事前に注意をされていたのでなおさらです。
サーキットをはじめあらゆる場所でイスラム教の伝統的な民族衣装の方たちが多く、最初は驚きました。着物姿の大勢の日本人をカタールの人が見たときの反応もきっと同じなんだろうなぁ、と。そのオリエンタルでエキゾチックな風景はとても刺激的で、文化や風習をもっと知りたくなったのでした。
カタールはどこに行っても人々はとてもフレンドリー。多くの外国人が居住されていることもあり、誰もが英語を非常に流暢に話され、私の下手な英語にも根気よくお付き合い頂きました(笑)。サッカーの影響か、私が日本人と分かるとサッカーの話題を振ってくださる方も。ゴミひとつ落ちていない清潔な街での滞在はとても楽しく、また訪れたくなる国でした。
ただし……めちゃくちゃ荒い運転や車間距離ツメツメ、クラクションやパッシングの嵐はちょっと勘弁願いたいです。