アストンマーティン・レーシングの戦力を担う若手
AMR(Aston Martin Racing)のAMRドライバーアカデミーに2024年は過去最高となる32名のドライバーがエントリーされました。優秀な卒業者にはメーカーから2025年のレースプログラムに向けた資金援助に加え、シーズンプランに合わせた指導や新型「ヴァンテージGT3」のテストの機会が与えられます。このユニークな取り組みを紹介しましょう。
三方良しユニークな取り組み
AMRドライバーアカデミーのユニークな点はアストンマーティンのパートナーチームの中から有望な若手参加者を募り、トレーニングを実施し、その経験と知識を自身のチームやアストンマーティン全体のモータースポーツ活動に還元する仕組みである。AMRが将来の才能に投資するという仕組みであるが、結果的にはドライバーにもパートナーチームにも、そしてアストンマーティン自身にも利益をもたらす三方良しのプログラムとなる。
2024年のAMRドライバーアカデミーには、過去最多となる32名の意欲的な若手GTドライバーが登録した。
5つの大陸にまたがる13カ国から集まった多種多様なレーサーは、少なくとも14のアストンマーティンパートナーチームで2024年を戦い、これによりFIA世界耐久選手権、ファナテックGTワールド・チャレンジ、IMSAミシュラン・パイロット・チャレンジ、およびイギリス、ドイツ、フランスを拠点とする主要な国内シリーズを含む、2024年のほぼすべての重要な国際耐久シリーズをカバーすることになる。
多様なトレーニングプログラム
実績のあるメーカーとともに学び、成長するためのユニークなプラットフォームであるこのプログラムは、キャリアの初期段階にあるドライバーを効果的に指導するために毎年微調整され、改善されている。対象となるのは、公認選手権でヴァンテージGT3およびGT4のレースプログラムに参加している16歳から26歳までのドライバーである。
候補者たちは、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チーム・テクノロジーキャンパスの見学、FIA世界耐久選手権のコメンテーターであるルイーズ・ベケット氏によるメディアトレーニング、ベースパフォーマンスでのシミュレータートレーニング、オーダーメイドのトレーニングプログラムと栄養計画を含む総合的なフィットネス・アセスメント、アストンマーティンレーシング社内のビジネストレーニング、ヴァンテージのセットアップ方法の理解を深めるためのファクトリーベースのエンジニアリングワークショップを含む3日間のセミナーを受講した。
このプログラムの優秀者には、2025年までのアストンマーティン・レーシングのサポートと支援、および新型ヴァンテージGT3でのテストが提供される。2014年に始まって以来、その人気と意義が飛躍的に高まっているこのプログラムは、アストンマーティン・レーシングの盛んなパートナーチームネットワークの中から若き才能を急成長させるのに貢献している。
AMWノミカタ
アストンマーティンのレースでの活躍は、このようなユニークなトレーニングプログラムに依るところが大きいのではないだろうか。IMSAスプリントカップ・チャンピオンのロス・ガン(イギリス)、イギリスGT4チャンピオンのトム・カニング(イギリス)、ル・マン・カップ・チャンピオンのバレンティン・ハッセ=クロット(フランス)、IMSA GTDチャンピオンでロレックス・デイトナ24時間レースのウィナーであるロマン・デ・アンジェリス(カナダ)、そして最近のウィナーであるロマン・ルルー(フランス)とマイク・デビッド・オルトマン(ドイツ)などに続く才能あるドライバーの出現が期待される。