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約2億2000万円まで高騰したフェラーリ「812コンペティツィオーネ」は、走行わずか90キロ! 999台限定の究極の跳ね馬とは

約2億2000万円まで高騰したフェラーリ「812コンペティツィオーネ」は、走行わずか90キロ! 999台限定の究極の跳ね馬とは

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

999台生産されたうちの1台

搭載エンジンはベースの812スーパーファストと同じ6.5LのV型12気筒だが、フェラーリはクランクシャフトやコンロッド、バルブトレインなど、その主要コンポーネントを再設計。コンロッドはチタン製に変わり、重量はそれまでのスチール製からさらに40%軽量に、クランクシャフトもより精密なバランス取りの結果、3%の軽量化に成功した。ピストンなどにはダイヤモンド・ライク・カーボンと称される摩擦係数の低い特別なコーティングも施された。

結果、812コンペティツィオーネのパワーユニットが得た最高出力と最大トルクは830ps、692Nm。レブリミットも812スーパーファストの8900rpmから、このコンペティツィオーネでは9500rpmへと引き上げられている。その運動性能はやはり驚くべきものだ。0-100km/h加速は2.85秒、0-200km/h加速は7.5秒、そして最高速は340km/hとフェラーリは発表している。ちなみに812コンペティツィオーネがフィオラノのテストトラックで記録したラップタイムは1分20秒で、これは「SF90XX」、「SF90ストラダーレ」、そして「ラ フェラーリ」に続くものである。

今回ドバイ・オークションに姿を現した812コンペティツィオーネは、999台が生産されたクーペモデルの中の1台。走行距離はわずか90kmで、この2022年モデルには個性的な外観と雰囲気を与える、パーソナライゼーション・オプションが数多く選択されている。

フェラーリの象徴ともいえるロッソ・コルサのボディカラーは、ネロ・ブラックの縁取りが施されたジャッロ・フライ・イエローのセンターストライプでさらに引き立てられ、イエローのブレーキキャリパーと、これもイエローのストライプなどが施されたピレリ製タイヤが、20インチのカーボンファイバー製ホイールの存在感をより際立たせているのが印象的だ。

インテリアも同様に、ロッソFXレッドのアルカンターラ内装とロッソ・フェラーリ・カラーのステアリングホイールなど、レッドとイエローのコンビネーションが見事なフィニッシュ。同時に多くのカーボン製オプションが装備され、サスペンションリフトシステムとリアビューカメラももちろん搭載されている。

RMサザビーズからは110万〜130万ドル(約1億6390万円〜1億9370万円)の予想落札価格が提示された、この812コンペティツィオーネ。落札価格はそれをはるかに超え、146万7500ドル(邦貨換算約2億1870万円)という結果を記録した。

これは今回のドバイ・オークションでは、2005年式のケーニグゼグ「アゲーラ」、2009年式のメルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン スターリング モス」、2023年式のアストンマーティン「ヴァルキリー」、2017年式のランボルギーニ「チェンテナリオLP770-4クーペ」に続く、高値での落札となったことを報告しておく。

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