GT3にリフターは必需品、リアディフューザーは消耗品
思うに、これからGT3やおそらくはGTSも含めて車高の低い911の購入を考えているなら、当然ながらリフターはあったほうが断然いい。公道で乗っていて痛感するのは、どこもかしこも段差だらけだからだ。
日本の一般的な道路の縁石の高さは最低150mm(ドイツも基準は同じ。米国や英国の場合低くて100mmから)と高めのうえに、スロープの傾斜もきつめな作りのほうが多い。それに鉄道王国だけに大都市近郊はいまだ段差のある踏切が行く手を遮る。公園などでもスピードバンプがかなり整備されてきた。大都市圏の百貨店をはじめ郊外のモール等でも立体駐車場形式のところが多くスロープ地獄に陥る。
日本はクリアランスの低いクルマにとってはなかなか厳しい環境だらけなのだ。停める場所や進入する場所に躊躇してしまうこともしばしば。ま、ひたすら走って楽しむべきクルマだから、そんなところへGT3とかシャコタンで行くな! という話だが、裏を返せば出かける場所を考えねばならないクルマなのだった。
周りの公道シャコタン派に聞くとほとんど幹線道路、とくに高速道路での移動をメインに考え、行く場所を定めてから出かける人が多い印象。サーキットメインユースなら話は別だが(といっても自走だと段差に出くわす可能性大だが)、やっぱり、公道を走るならリフターは必需品といっても過言ではない。
さて、後日談になるのだが、フロントは少々のことでは擦らなくなったものの、じつはリアのディフューザー付きエンジンカバーは擦りまくっている。駐車場などの車輪止めに当たっているのだ。対策としては車輪止めからは少し離して駐車する作戦をとっている。バックモニターに映る最後部が車輪止めの上になったところで止めているのだ。
が、ビビり性ゆえに、場所によってはあまりに周囲のクルマから前部が突き出てしまうことがあってマナー面で気が引けてしまうことや、出入りする他のクルマに当てられるのではないか? みたいなシーンにも遭遇することから、擦るのを覚悟で後退することがじつは多い。ディフューザーはもはや部分的に削れていたり、曲がったりしている(笑)。
ちなみにこれ、991前期型911Rではじめて採用され、991後期型GT3から標準で装着されているパーツだ。エンジンを隠すプレート部分はアルミ製で、フィンは擦れることを想定してるようで樹脂製となっている。この組み合わせからして、「ここは消耗品と割り切ってね」とポルシェが言ってるような気がしてならない。フェラーリのようにドライカーボンをここにあえて採用しないところは、さすが走ってナンボのポルシェじゃないですか!
なお、現在の価格はアメリカで約960ドル、日本では約17万円なり。サーキットで他者とコンマ1秒を争うわけでもないし、もとよりその効果すらわからない腕前レベルである。それに外観からはあまり見えない部分だから、すっかり気にも留めなくなった(笑)。よほどボロくなったら交換するかもしれないが、サーキット専用にでもしない限り間違ってもここだけはドライカーボン製にしないです、きっと(笑)。
いざ公道へと出た瞬間、要点検の表示が! パ、パンクかっ!?
さて、これでようやく安心して外出ができる! なんせ納車からすでに1カ月弱も経過している。まるで乗れてなかったから、もう走らせたくてウキウキしていた。少し冷え込む空気の中、バボンとエンジンをかけ、ギュインとリフトさせ、駐車場から出た世界は眩しかった。プシュウっと車高を下げたとき、目の前を通りがかった奥さまらが、物珍しそうというより怪訝そうにGT3と筆者を見ていたが、オナラじゃないですから(笑)。まあ、おかしなクルマに映るんでしょうな。
しかし、そんな心の余裕やウキウキ気分はつかの間に終わった。駐車場のシャッターを下ろすのを忘れたため(自動で閉まらない!)、GT3を路肩に停めて、リモコン操作を終え「いざ!」と走り出した瞬間のことだった。なんと、いきなり「タイヤ要点検」の表示が! 空気圧モニターが現れ、左後輪が赤々と輝いているではないか! しかもいきなり空気圧-0.5 barだとぉぉぉぉ。低温だからか? それともパンクか? 一体何がぁぁぁ。
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ようやく乗れると思ったその矢先にもしやパンク? 納車時もそうでしたけど、おっさん、かなりついていないですねぇ。ちょっとかわいそう。まずは神社かお寺で厄払いしたほうがよくない?
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