ランボルギーニの技術を応用したパデル用ラケット
パデルというスポーツをご存知でしょうか? テニスとスカッシュを組み合わせたような競技で、どうやらスペインではテニス人口を上回る人気スポーツとなっているようです。パデルのラケットを製造しているバボラ社はランボルギーニと共同で、同社の持つカーボンファイバーの技術的、産業的専門知識を組み合わせたコラボレーションを発表し、パデルラケットを販売します。
販売数はわずか50本
2024年4月6日〜7日に行われた「ランボルギーニアリーナ」の会場で、ランボルギーニの工場でわずか50本という非常に限定されたシリーズで製造されるパデル用ラケット「BL001」が発表された。この革新的なパデルラケットに使用される素材は、剛性の高いシャシーの製造に使用される高強度カーボンファイバーをはじめ、ランボルギーニの性能に貢献しているさまざまな技術から直接応用されたものである。
「BL001」の技術的コンセプトとデザインは、バボラ社とランボルギーニ両社の研究開発チームによる、約半年間にわたる緊密なコラボレーションによって生まれた。「BL001」は、ランボルギーニのカーボンファイバー専門の工場で超精密かつ100%手作業による工程で製造され、その後バボラの専門家たちによってコート上と研究室でテストが行われる。
バボラ社とランボルギーニがコラボしたユニークなパデルラケットは今回50本限定で販売されるが、このパデルラケットで培われたテクノロジーとカーボンファイバーのノウハウは市販モデルとなる「BL002」と「BL003」の2つのパデルラケットにも応用される。今後スペインのバルセロナ近郊にあるパデルスタジオで製造され、数年間にわたり販売される予定だ。このコラボレーションにより、ランボルギーニは自動車以外にスポーツ用品も製造するユニークなブランドとなった。
AMWノミカタ
カーボンファイバーを使ったスポーツ用品はゴルフ、テニスなどの球技をはじめ、釣り竿、スキー、自転車など幅広い。パデルの起源は諸説あるが、貴族で実業家だった男が自身の経営するスペイン南部・マルベーリャにあるホテルに2面のコートを建設し、マルベーリャを訪れる富豪たちが次々と自分のコートを建設していったことに始まったという。
つまりパデルは富裕層のスポーツとして発展してきた。パデルの魅力は狭いコートでのスピード感のあるプレーと壁を利用して打ち返すなど、知的なゲームプランの融合だろう。スピード感と知的ゲームプランという意味では、自動車のレースに似ているのかもしれない。ここに自社の得意分野であるカーボンファイバーの技術で協業していく、ランボルギーニの目の付け所はさすがだと思う。