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懐かしのオープン軽トラ「バモスホンダ」を2台所有! 2年がかりでカタログと同じ仕様に仕上げたアンデスイエローの美車を紹介します

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • 空冷2気筒エンジンを積んでいるホンダ車のことが好きだという新作さん。愛犬の“チョコ”くんはトイプードル
  • フロントパネル中央のスペアタイヤは、衝突時における乗員保護の役割も果たしている
  • 荷台のモトコンポは、往時に木箱に入ったまま売れ残っていたものを購入。バモスホンダと同じアンデスイエローでペイントしてある
  • フロント、リアとも強靱なキャンバス製防水シートを装備。外装色は、マッキンレーホワイトとアペニンブルーも選べた
  • サスペンションは、前輪がマクファーソン式独立懸架。後輪はドディオンアクスルだ
  • エンジンは空冷2気筒OHCで排気量は354cc、最高出力は30psだ。タフで、働きもののパワーユニット
  • キーを抜けば自動的に作動するハンドルロック式盗難防止装置を標準装備。ヒーターやデフロスターも標準装備で、ウインドシールドは安全性が高い部分強化ガラスだ
  • 1973年まで軽自動車の車検制度が復活しなかったので、往時に点検整備を促していたステッカー(リメイク品)を貼っている
  • スピードメーターおよびコンビネーションメーターは丸型の防水タイプ。フロアを水洗いすることも可能だ
  • バモスの由来はスペイン語のVAMOSで、日本語の意味は「さあ、みんなで行こう!」
  • シートベルトが全席標準装備で、強固なロールバーが取り付けられているので安心だ。フロントバンパーの剛性も高い
  • 荷物の積み降ろしに便利な後方開きテールゲートを装備。現車の総走行距離は3万3873kmだった
  • 乗員の重心位置よりも高いところに保護用ガードパイプを装備。前、後席の左右に設置されている
  • このアンデスイエローのバモスホンダ4は1971年式

史上もっとも可愛い軽トラ(?)

2024年2月24日(土)に茨城県城里町の「ホロルの湯」を会場に、第2回「軽トラ&スーパーカブ ミーティング」が開催されました。スーパーカブの愛好家団体が主催したユニークなイベントの会場から、今回はホンダが1970年に発売したマルチパーパスな軽自動車「バモスホンダ」のオーナーを紹介します。

このアンデスイエローの個体で所有2台目

「クルマは私にとって大型犬みたいなものですね」

愛犬の“チョコ”くん(トイプードル/3歳)を抱っこしながら、そのように話してくれた新作(にいさく)さんは取材時59歳。空冷2気筒エンジンを積んでいるホンダ車のことがとにかく好きらしく、この「バモスホンダ」のみならず、「N360」や「N III 360」など、いろいろコレクションしているそうだ。

「きょうは乗ってきませんでしたが、キャラバングリーンのバモスホンダも所有しています。かれこれ、もう35年も乗っていますね。15年ぐらい前に買ったこのアンデスイエローのバモスホンダは私にとって2台目ということになります。カタログに載っている仕様と同じになるように2年ぐらいかけて仕上げました」

生産台数はわずか2530台

バモスホンダは1970年から1973年まで生産されたフルオープンタイプの軽トラックで、ドアがないユニークなスタイルを採用。乗る人のアイデアによって用途の範囲が無限に拡がるクルマとしてデビューした。初代バモスホンダの型式は「TN360」で、これは走りに関するパーツが軽トラックの「TN360」から流用されたものだったことに由来する。軽トラックのTN360はマイナーチェンジの度に車名が変わっていて、参考までに列記すると、「TN360」(1967~1970年)、「TN III 360」(1970~1972年)、「TN-V」(1972~1975年)、「TN-7」(1975~1977年)といった推移だ。

新作さんが所有しているアンデスイエローのバモスホンダ4は1971年式なのでTN III 360用のエンジンが積まれており、キャラバングリーンのほうはTN-V用のエンジンが積まれているとのことだ。

バモスホンダは警備、建設現場、工場内運搬、電気工事、農山林管理、牧場など、屋外作業や配達といった機動性を必要とする仕事にピッタリのクルマとしてデビューしたが、オフロードカーのようなスタイルでありながら4WDの設定が無かったこともあり、ビジネスシーンで大活躍することはなかった。当初は輸出を含む生産計画が月産2000台とアナウンスされていたが、トータルで2530台ほどしかラインオフしなかったといわれている。

これからも動態保存していきたい

新作さんも多目的レジャーカー的な趣味車として2台のバモスホンダを活用しており、天気のいい日にドライブを楽しんだり、旧車のイベントや軽トラックをテーマとした今回のような催しに参加する際に乗っているそうだ。

「もうこれ以上愛車を増やす計画はないので、いま愛用しているクルマたちを動態保存していきたいです」

笑顔で今後の展望を話してくれた新作さんは、これからもバモスホンダ、N360、N III 360などに囲まれながら個性的なカーライフを満喫していくことだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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