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スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • 安全に走行できるかのチェックやタイヤのマーキングなど、出走前には車検が行われる
  • ポールポジションのカプチーノを先頭にローリングスタート。3月とは思えない陽気のなかクラッシュもないクリーンなレースだった
  • NAからターボまで速度差のあるマシンが混走。抜く側も抜かれる側もテクニックが必要だ
  • だいぶ数が減ったとはいえまだ主力マシンの一角であるHA23アルト。とはいえ純正パーツも徐々に手に入りにくくなってきたようだ
  • スムーズなドライバー交代はリスクを背負わずにポジションを上げるチャンス。走行前に本番さながらの練習を繰り返すチームは多い
  • 給油には3分間のピットストップが課せられる。エンジン停止や消火器の保持など規則を守らないとペナルティが与えられるので注意が必要だ
  • 2クラス優勝となった527号車 ZtoAUTO CSW 自動車部。HA36アルトワークスの投入は他のチームにとっても大きな刺激となるに違いない
  • 前日のクラッシュで急遽マシンチェンジ。そんなアクシデントに見舞われながらも3クラスで優勝を決めた713号車 ARY 54の形見エッセ
  • 初参戦で初優勝の快挙を成し遂げた156号車 TNUAC × ICRT エッセ。レギュレーションを熟読した安全かつキレイなクルマ作りも見習いたいところ
  • 4クラスの優勝は194号車 おいなりさん feat. S. C. I。リンクサーキットでは無類の強さを誇るだけに、このままシリーズを独走するのか?
  • 東北660シリーズのゼッケンはカテゴリーおよびクラスにより色などが異なる。数字は希望制を採用しており全戦参加者には優先権が与えられる
  • 入賞チームには協賛各社の豪華な景品が贈呈される。2024年シーズンは2023年シーズンよりさらに数社が加わった
  • 協賛社のひとつ「焙煎工房こひな」のコーヒー無料サービス。2024年シーズンはエビスサーキットを含め全戦に出展予定とのこと
  • 表彰台の真ん中は逃したものの、HA36アルトとAGSの可能性を見せ付けた15号車 fixed STARS NEXZAS。次戦はもちろん優勝を狙う!
  • 1ラップ差で3クラスの3位だった31号車 ジジイでも走れるアルトAGS。ドライバーの高松正雄と椎名栄一郎はHA36カップのライバルだ
  • 数年かけて着実にポジションを上げてきた塩山自動車。開幕戦に参加した2台のほかにも車両の製作が進んでいるというから期待したい
  • L275ミラからHA23Vへとチェンジした829号車 チーム関東 ARY。昨年の東北660選手権・3クラスのチャンピオン岩塚眞澄を擁するチームだ
  • こちらも初参加の385号車 IUAC DXL カミオン ミラ。コースの攻略法や練習時のチェック項目を事前に文書化するなど体制も見事だった
  • 1クラスの表彰式。優勝は350号車 スズキJ宮城&高橋Rカプチーノ
  • 2クラスの表彰式。優勝は527号車 ZtoAUTO CSW 自動車部
  • 3クラスの表彰式。優勝は713号車 ARY 54の形見エッセ、準優勝は15号車 fixed STARS NEXZAS、3位が31号車 ジジイでも走れるアルトAGS
  • 4クラスの表彰式。優勝は194号車 おいなりさん feat. S. C. I、準優勝は829号車 チーム関東 ARY、3位は660号車 サザン軽四部 初めてのESSE
  • 学生クラスの表彰式。優勝は156号車 TNUAC × ICRT エッセ、準優勝は103号車 APUMSC、3位は385号車 IUAC DXL カミオン ミラ
  • 1年ぶりに参戦して総合優勝を決めた350号車 スズキJ宮城&高橋Rカプチーノ。派手なルックスからは想像できないほど乗りやすいとか

ベテランから学生まで多くのドライバーがエントリー

東北地方のサーキットで開催される、軽自動車だけで争われるレースが「東北660選手権」。新規格軽自動車のNA車両で戦うレースですが、そのほかにもターボ車だけの「ターボGP」、HA36型スズキ「アルト」だけのワンメイクレースである「HA36カップ」、決勝200分の耐久レースなど5つのカテゴリーが用意されています。2024年シーズンが3月24日に開幕しましたが、今回は「東北660耐久レース」の模様をリポート。数周で勝利が決まるスプリントレースとは違う、耐久ならではの熱いバトルが繰り広げられました。

1クラス:20年以上戦うベテランマシンが貫禄の優勝

2011年から続く東北660シリーズ。合計5つのカテゴリーがあるレースのなかで、真っ先に開幕したのが耐久レースとターボGPだ。年式や過給機の有無に関係なく参加できる「東北660耐久レース」は、学生だけのクラスを含め22台がエントリーし200分後のゴールを目指す。

過給機が付いた車両で改造範囲の広い1クラスは、「スズキJ宮城&高橋Rカプチーノ」が1年ぶりに参加。この車両は東北660耐久レースの前身とでもいうべき、仙台ハイランドのKカー耐久レース時代からの古株で、少なくとも20年は現役でサーキットを走り続けている。

熟成されたマシンは今回も圧倒的な速さを誇り、予選は総合2番手に約5.7秒差の1分9秒073で首位を獲得。決勝も安定した走りで淡々とラップを刻み、総合優勝で幸先のいいスタートを切った。

2クラス:HA36アルトワークスが高い戦闘力を発揮

2クラスは東北660シリーズの全クラスに参戦する常連チームのひとつ「ZtoAUTO CSW 自動車部」が、2023年に参戦していたダイハツ「コペン」からHA36型スズキ「アルトワークス」にチェンジ。東北660耐久レースでは初めて登場するマシンで、燃費のよさを武器にどこまで総合優勝に迫れるかに注目が集まった。

アルトワークス

今回はシェイクダウンで燃費の計算などデータ取りが主な目的だったが、終わってみれば総合2位で周回数は9ラップ差とまずまずの成績だ。ドライバーも東北660シリーズで活躍する経験者が揃っており、7月14日(日)の第2戦ではさらに戦闘力を高めてくるに違いない。

3クラス:トラブルを乗り越えて悲願の優勝

もっともエントリー台数の多い3クラスは、従来のMT勢と2023年から爆発的に増えたHA36アルトのAGS組によるバトルが繰り広げられた。混戦のなか見事ポール・トゥ・ウィンを果たしたのは、東北660の常連ドライバーが結集したARY 54の「形見エッセ」だ。

しかし順風満帆なレースだったわけではなく、前日の練習で横転し急遽L275型ダイハツ「ミラ」に変更。車両は2023年シーズンの東北660選手権・2クラスを制した小松日高のマシンで、ほかのドライバーもほとんどがL275ミラ乗りということもあり、すんなり順応できたのは幸運だった。

優勝の140周には少し及ばなかったものの、2位と3位はHA36アルトのAGSが独占する結果に。2位の「fixed STARS NEXZAS」は2023年の東北660選手権・4クラスと、東北660・HA36カップの2クラスでチャンピオンを獲得した猪又真輝を中心に、2024年シーズンの飛躍が期待される20代の若手ドライバーばかりを集めたチームだ。

3位の「ジジイでも走れるアルト」は、サーキットへ来る途中にエンジントラブルを起こし、同じチームである椎名栄一郎のHA36アルトを投入するという緊急事態となったが見事3位をゲットした。ちなみに3クラスは2位が138周で3位が137周、それ以降も4位の塩山自動車アルトが同一周回で、5位と6位も136周と最後まで目が離せない展開。次戦はどのチームが頭ひとつ抜け出すのか楽しみだ。

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