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スズキ「アルト」が累計506万台! インドで日本より短い40年4カ月で3000万台の生産を成し遂げた理由とは

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TEXT: AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)  PHOTO: SUZUKI/MARUTI SUZUKI

  • 2023年に発売された新型SUV、スズキ フロンクス
  • 2022年に3代目となったインド版スズキ アルト
  • これは1000cc版のアルトK10
  • プラットフォームは小型SUVのエスプレッソと共有
  • 直列3気筒1000ccエンジンを搭載
  • スズキ アルトK10のコクピット
  • スズキ アルトK10のステアリング
  • シンプルきわまるメーター
  • トランスミッションはAGS(オートギヤシフト、写真)と5速MT
  • スズキ アルトK10のシート
  • 2019年から3代目となったインド版ワゴンR
  • プラットフォームはイグニスと共有している
  • サイズは全長3655mm×全幅1620mm×全高1675mm
  • いまや日本の軽自動車ワゴンRとは全く別のクルマ
  • インドで1983年に生産がスタートしたマルチ800
  • 2019年から3代目となったインド版ワゴンR
  • 2022年に3代目となったインド版スズキ アルト。これは1000cc版のアルトK10

人口14億のインドはスズキがシェア4割以上を握るドル箱市場

スズキはインドにおいて、2024年3月末までに累計自動車生産台数3000万台を達成したと発表しました。これはスズキにとっては日本に次いで2カ国目の快挙で、1983年12月の生産開始以来、わずか40年4カ月で3000万台を達成したことになり、日本での55年2カ月という記録を更新しました。その背景を解説します。

2023年に世界累計生産台数8000万台を達成したスズキにとって重要な生産拠点

スズキがインドに進出したのは1980年代初頭のこと。インド政府が国民車構想のもと設立した国営企業「マルチ・ウドヨグ(Maruti Udyog)」(2007年からマルチ・スズキへ社名変更)との合弁にスズキが応じたのが始まりだった。

1983年12月にインド初のスズキ車「マルチ800」の生産がスタート。これは5代目「フロンテ」をベースにした現地仕様で、1台20万ルピー(現在の為替相場で邦貨換算約37万円)という激安価格で大ヒットし、文字どおりインドの国民車の地位を確立した。

以来40年と4カ月、2024年3月末までにスズキはインドでの累計自動車生産台数3000万台を達成した。ちなみに、ちょうど昨年秋、2023年9月にスズキが4輪車のグローバル累計販売台数8000万台を達成したとアナウンスしたばかりで、その時点での日本国内の累計販売台数が2890万台だった。

2023年1年間でのスズキの4輪車生産台数では、グローバル合算で約322万5000台のうち、日本国内生産が約99万6000台、かたやインド生産は193万4000台。そしてスズキ車のインド国内と輸出を合わせた年間総販売台数は2023年に約206万6000台を記録し、初めて200万台を突破している。

かつてはインド国内シェア50%以上を誇っていたスズキも、ヒョンデやキアといった韓国メーカーの攻勢を受けて2022年度の実績ではシェア41.3%まで低下しているものの、依然として南アジアという巨大マーケットの覇権を握っていることに変わりはない。

現在ではスズキのインドでの生産拠点は、グルガオン工場とマネサール工場(ともにハリヤナ州)、そして2016年から稼働しているグジャラート工場の3カ所で、「ワゴンR」、「スイフト」、「バレーノ」などのコンパクトカーや、「ブレッツァ」、「フロンクス」といったSUVなど、16車種を生産している。

現在スズキのインドでの年産能力は225万台だが、今後のインド自動車市場の拡大に備え、2030年度までに約400万台の生産能力を確保するため、2025年度にカルホダ(ハリヤナ州)の新工場、そして6600億円を投資して2028年度にグジャラート州の新工場の稼動を計画しているという。

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