朝から熱気に包まれた決勝日
カーライフエッセイスト吉田由美さんの「なんちゃってセレブなカーライフ」がAMWで「なんちゃってセレブなカーライフR」として復活しました。前回は2024年4月5日(金)~7日(日)に三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開催された「2024 FIA F1世界選手権シリーズ MSC CRUISES 日本グランプリレース」にヘリコプターで向かい、予選日の様子をお届けしましたが、今回は、朝から熱気に包まれた決勝日をレポートいたします。
アルピーヌF1チームを取材
「F1日本グランプリ」の決勝日は「アルピーヌF1チーム」の取材を行うことに。世界最高峰に位置するモータースポーツのF1は関わる人数が多く、その昔、フェラーリは200名ぐらいが来ていたらしいけれど、現在は100名ほどに減少。
ちなみにアルピーヌF1チームは100名前後が携わっていて、そのうち60人がエンジニアやメカニックとなるわ。この60名というのは、F1マシンの運用に関与できる各チーム共通の規制人数となっていて、他40名はマネージメントやマーケティング、広報、運営スタッフとなるのよ。基本的にガレージのレイアウトは違えど使用するものは同じで、開催2カ月前に鈴鹿サーキットのレイアウトをもらい日本仕様に変更するわ。荷物は船便で送り、マシンは航空便。輸送は全チームとも「DHL」よ。
私がガレージを覗いたときには、ピエール・ガスリー選手のマシンの前に車検スタッフの方がいらっしゃったわ。車検スタッフは、各チームに2名ずつレースが終了するまでさまざまなチェックを行い、部品など交換する場合にはすべて公認が必要となるのよ。取材時は「パルクフェルメ」という公式予選終了後から決勝がスタートするまで作業ができない状態にあり、簡単な清掃やオイルチェックなど、最後の仕上げを行っていたわ。
小さなミスが致命傷となる
F1は走行時以外マシンは全てバラバラになっていて、レース当日にいかに確実に組み立てられるかがカギとなるわ。
「オーストラリアGPではマックス・フェルスタッペンのブレーキトラブルがありましたが、それはちょっとしたメカニックのミス。リアブレーキが壊れてしまったのは、ボルトの締め忘れが原因でしょう。こういった小さなミスが致命傷となりますが、ほとんどが人為的なミスなんです」
とアルピーヌF1チームの関係者が話してくれたわ。ちなみに2024年のアルピーヌマシンは重量が原因でスピードが遅いとのことで、これから改良していくのだそう。また、今回のマシンはフロントとリアウイングに標準品を装備し、見えない内部が変更となっているわ。ウイングはダウンフォースが取れる形に変更され、これによってマシンが暴れるポーパシングが改善されたそうよ。
アルピーヌF1チームはスポーツカーレースで長い歴史を持つものの、基本は典型的なレース屋集団。少ない予算でも好成績をあげ、予算をかけてマネージメントを行うことですぐにトップチームと渡り合えるポテンシャルを持ったチームよ。F1は予算、人材、そしてドライバーが潤沢という三位一体が重要みたい。