世界を転戦とするピットの中身は!?
さて世界を転戦しているチームのガレージは、屋根の形状や広さなど、メカニックが使用するツールなど、全ラウンドで同じレイアウトを採用している。積載量は7tに制限されているほか、運搬はレース会場 to レース会場と決められており、ファクトリーに立ち寄ることは許されていない。これは環境を考慮して、レギュレーションで厳しく取り決めがなされているからだという。
エンジニアリングエリアでは、セッション終了後にドライバーとミーティングを実施。その際に出た内容をベースに、新しいソフトウェアに更新する流れだ。充電にはCCS2ケーブルが使用され、これは市販車アリアと同様である。
またエンジニアはレース中、ドライバーからの要求に対応するのだが、基本的な操作はすべてステアリングで行われる。フォーミュラEはスペックレースと言われており、独自開発ができるのはリアのパワートレインのみ。同部分にはフォーミュラEでの要にあたる「回生エネルギー」に必要な要素が含まれているのだが、ドライバーが要求する回生加減(強めにするのか、弱めにするのか)に合わせるために、エンジニアはドライバーにステアリングで行うべき操作方法を指示している。
そのほかピットレーンでのスピードリミッターや、コース上でアクシデントが発生した際に導入されるFCYの際のリミッターボタン、スタート前にタイヤを温めるために行うバーンナウトボタンなど、ステアリングにはさまざまな機能がテンコ盛りとなっている。
ホームカントリーとなる日本での初開催を、日産は勝利で飾ることは叶わなかったが、それでも2位と大健闘。来年こそはホームで日の丸を掲げてもらいたい。
AMWノミカタ
フォーミュラE東京E-Prix開催に先立って、3月26日にNISSAN CROSSINGにて、シェルと日産の開発ストーリーやパートナーシップに関するメディアラウンドテーブルが行われた。NISSAN CROSSINGの通りに面したメインディスプレイにはGen3のマシン、ショールーム内にはGen2のマシンを展示。このほか六本木ヒルズアリーナでは、全長110メートルのオーバル型特設サーキット「NISSAN FORMULA E ROPPONGI CIRCUIT」のイベントを開催するなど、日産とシェル、その関係各社がさまざまなイベントを催して賑わったレースウィークであった。こうしてサーキット以外でのイベントが盛り上がることで、一般の人にもフォーミュラEの魅力と存在そのものが伝わることであろう。こうしてフォーミュラEが日本でも普及することに期待したい。