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タイで中国EVが大増殖中! 中国メーカー「GWM」の現地ディーラーに直撃、売れ筋は見覚えのあるクルマのような…

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TEXT: AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)  PHOTO: AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)

GWMはBEVとハイブリッドの二刀流で勝負

取材の合間、バンコク南西部の国道を移動していた折に、ディーラー銀座と言えそうなエリアでピカピカのGWMディーラー「GWM 168 Kanchanaphisek」を発見。さっそく飛び込んでダメモトで取材をお願いしてみたところ、バンコクモーターショー開催中のため人は少なかったものの、たまたま在店していた若い店長さんが親切に応対してくれた。ちなみに「168」は通し番号ではなく、風水のラッキーナンバーだそう。日本でも希望ナンバーで人気の数字だが、じつはまったく同じ理由だった。

「この店はオープンしてからちょうど1年になり、販売した台数は70台ほどです。GWMは現在、タイ全土に80のディーラーがあり、そのうちバンコク市内に25店舗が展開しています。提携している充電インフラの会社は全国にいきわたっているので、50kmごとに充電ステーションがある状態です。いずれはこのショールームにも、サイアムにあるような本格的な充電ステーションを設置したいと思っています」

ちなみに顧客層は50代の人が多いとのことで、一番の売れ筋はやはり、79万9000バーツ(約335万円)からと買いやすいコンパクトEVのオーラ グッドキャット。その次はSUVのサブブランド「ハヴァル(Haval)」のシリーズで、こちらはハイブリッド車だ。

ショールームでは他にも、2023年からタイに導入したばかりのラダーフレームを用いたオフロードSUV「タンク(Tank)」シリーズ(これもハイブリッド車)を道沿いに展示してアピール。また納車ブースに足を運ぶと、2023年11月にタイで発売されたばかりのBEVスポーツクーペ「オーラ07」の姿もあった。

また、このとき開催されていたバンコクモーターショーでは「POER SAHAR HEV」がお披露目され、東南アジアの大人気カテゴリーであるピックアップトラックへの参入が発表されている。

* * *

「我々はマルチソリューション戦略で展開していきます」とディーラー店長が語ってくれたように、国を挙げてEVシフトに向かっているタイといえども、そこに参入するメーカーたちの思惑や戦略はさまざまだ。急速かつダイナミックに変動しているタイの自動車市場は、ある意味でマーケティングの実験場であり、今後の日本市場を占うための参考になることも多いだろう。AMWでは今後も、アジア諸国の自動車マーケットを注視していく予定だ。

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  • AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)
  • AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)
  • 田舎の大学院で古代インドのサンスクリット語を研究していた元・学者の卵。クルマ遊びにハマって中古車販売店で1年働いた後に出版業界へ。クルマやカルチャー系の雑誌のほか、翻訳書、人文書、地図帳、写真集など手がける。クラシック・フォルクスワーゲンが趣味の中核で、愛車は1963年式カルマンギア。数年前に都内から小田原へ移住し、賃貸ガレージハウスでリモートワークしつつ、箱根や伊豆のワインディングをのんびりドライブする日々。
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