製作には18カ月の時間が必要
イギリスのオックスフォードシャーでポルシェ「911」(964型)をベースに、最新の技術を使いオーダーメイドモデルを製作するテオン・デザインから、最新作となるオーダーメイドモデルが発表されました。最大の特徴は、今回のカスタマーがタルガトップボディを選択していることで、テオン・デザインでは「GBR003」のコードネームが与えられ、開発が進められた1台です。
ベースモデルは数千時間をかけて丹念にレストアされた
これまで製作されたテオン・デザインの作品と同様に、GBR003もオール・カーボンのボディを採用。4Lの水平対向6気筒自然吸気エンジン、6速MTの組み合わせでカスタマーにデリバリーされる。
ワンオフのパステル・ブルーとリコリス・レザーで仕上げられたキャビンを持つタルガは、彼らが持つデザインとエンジニアリング能力、手作業による豪華な装飾。そして最先端のテクノロジーと製作プロセスを融合させた、まさにカスタマーのポルシェ911に対する夢を実現させたモデルともいえる。
GBR003はテオンの伝統である細部へのこだわりとレーザー技術を駆使したエンジニアリングの厳密さによって、一切の妥協なしにオープントップモデルの、スリルを提供するモデルに仕上げられたのである。
GBR003がテオンの特長である流麗さとコントロール性を確実に発揮できるよう、開発チームは特注のカーボンファイバー製強化ブレースシステムを開発し、それをシャシーのフロアに接着することで、最小の重量増でねじれ剛性を大幅に向上させることに成功した。
一方ドナーカーの964型「911カレラ2タルガ」は、ホワイトボディとなるまでペイントを剥がされた後、テオンの情熱的な技術者によって数千時間をかけて丹念にレストアされた。そのボディは左右のドアがスチール製であるほかは、すべてがカーボン製とされ、3Dデザインのソフトウェアでモデリングされたため、完璧なフィッティングが実現した。参考までにこのGBR003のウエイトは、ガソリンやすべてのオイルを搭載した状態で1228kg。これは以前製作されたテオンのクーペモデルよりもわずか60kg増という数字だ。
床下に、前で触れた強靭なカーボンファイバー製強化ブレースシステムを持つGBR003だが、その効果はやはり特筆すべきものだ。このきわめて高いねじれ剛性を持つ基盤の恩恵で、テオンは名高いクーペモデル並みの正確なハンドリングを、このGBR003で再現することができたのだ。GBR003にはまた、5段階の切り替えが可能なトラクティブ・アクティブ・コントロールド・エレクトロニクス(ACE)ダンピングシステムも標準装備され、優れたダイナミック性能が発揮されるという。