完全オーダーメイドのインテリアも注目
テオンの特長である、細部へのレーザーフォーカスのようなこだわりは、カーボンファイバー製のスキンの奥深くに隠された要素に至るまで、その製造クオリティのあらゆる部分に見て取ることができる。航空宇宙グレードの配線ループは彫刻のようなボディ下を蛇行し、通常のものと比較して20kg以上の軽量化を実現。最新のデュアル・エアコン・コンプレッサーや電動油圧式パワーステアリング・ポンプも、48:52の前後重量配分を実現するために車体前部の低い位置に配置されている。
リアに搭載される水冷水平対向6気筒エンジンは、4Lにまで排気量を拡大したもので、気筒ごとに独立したスロットルボディやオープン・トランペットの採用で、最高出力は409ps/7100rpm、最大トルクは434Nm/5500rpmを発揮する。同時にアップデートされたフル・セラミックコートのエキゾーストシステムは、キャビンのスイッチでそのボリュームを変化させることもできる。
テオンによるタルガの完全オーダーメイドのインテリアも、カスタマーを十分に満足させ、そして同時に走りの時間を有意義なものにしてくれることは間違いないだろう。インテリアの素材はすべてカーボンで軽量化を図り、それを豪華な本革で包み込む仕様だ。
今回紹介したGBR003にはテオンのツーリング・シート・オプションが装備され、ポルシェ「928」からインスピレーションを得たリア・バケットシートも備えられている。このリア・バケットシートにはサブウーファーもシームレスに組み込まれており、オーディオ・システムもさらに高められているのは嬉しい。
タルガトップ自体も改良され、現代的なモヘア素材で最も厳密な基準で仕上げられたそれは、折りたたんだ後にフロントの「フランク」にぴったりと収まるキャリーバックに収納できるように設計されている。年々人気の高まりを見せるレストモッドの世界。テオンによれば、その価格はこのタルガのGBR003で41万5000ポンド(約7970万円)から、クーペモデルは39万ポンド(約7490万円)からとのこと。いずれもドナーカーの価格は含まれない。製作には18カ月を要するということだ。