高速道路の「走り方」を復習しておこう
ゴールデンウィークになると各地の高速道路の交通量はドッと増えます。その中には普段、高速道路を走り慣れていないドライバーも多数含まれるわけですが、それだけに悪気なく交通違反やマナー違反を起こしている人もチラホラ見かけます……。速度超過や逆走、転回といった、常識的な違反は別として、そうした高速道路に不慣れな人が犯しがちな違反をいくつかピックアップしてみましょう。
走行、追い越しなどで気をつける違反
■追い越し車線を走行し続けるのは違反
追い越し車線は、前走車に追いついたとき、そのクルマを追い越すときだけ走行して、それが済んだら速やかに走行車線に戻るのが基本。明確な規定はないが、およそ2km以上追い越し車線を走り続けると「車両通行帯違反」を問われるというのが俗説だ。
違反者のペナルティは、違反点数1点 反則金6000円(普通車)。
ちなみに、2022年に高速道路での車両通行帯違反検挙数は5万7011件。 全体の14.7%。速度超過に次ぎ2番目に検挙数が多い項目だ。
■追いつかれた車両の義務
上記の「車両通行帯違反」にも関連するが、「追い付かれた車両の義務違反」というのもある。
その内容は下記の通り。
・法定速度未満で走行している場合に、後続車に追いつかれた場合は、できる限り道路の左側端に寄って、進路を譲らなければならない。
・追いついた車両が、追いつかれたクルマを追い越そうとしたとき、そのクルマが追い越しを終わるまで速度を増してはならない。
違反者は、違反点数1点 反則金6000円(普通車)が課せられる。
■最低速度違反
高速道路では最高速度だけでなく、最低速度も定められている(道路交通法第27条3項)。
高速道路の片側2車線以上の区間の最低速度は50km/h。
これを守らないと「最低速度違反」となり、違反点数1点、反則金6000円(普通車)が科せられる。
■左車線からの追い越し
追い越し車線がある以上、左車線からの追い越しは違反になる。
左車線からの追い越しは「追い越し違反」で、違反点数2点、反則金9000円(普通車)。
■路肩走行
あまり見かけなくなったが、路肩走行も立派な違反。
渋滞時に路肩を走ったりする行為は、通行区分違反(路肩走行禁止)で、違反点数2点、反則金9000円(普通車)。ドライブレコーダーも普及している昨今、みんなが渋滞の列に並んでいるのに、ひとりだけ路肩を走ったりすると、ドラレコの動画を警察に持っていく人が出てくるはず!?
うっかりやらないように気をつけたい違反
■積み荷の落下
高速道路で、ルーフキャリアなどから荷物を落とすと、「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」となり、違反点数2点、反則金9000円(普通車)。
高速道路に乗る前に、積み荷の固定や点検をするのはドライバーの義務だ。
■ガス欠
高速道路においてガス欠でストップするのは大変危険なので、ガス欠で止まると「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」になる。
違反点数は2点、反則金は9000円(普通車)だ。
なおEVが電欠になった場合については明文化されていないが、ガス欠同様、「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」になる可能性が大きい。
■故障車両表示義務違反
高速道路で故障し、やむを得ず緊急停止する際、後続車から見える場所に三角表示板を置かないと「故障車両表示義務違反」になる。
違反者は、違反点数1点、反則金6000円(普通車)。
その他、渋滞最後尾ではハザードランプ
交通違反にはならないが、渋滞の最後尾に近づいたときは、追突事故の発生を防ぐために、ハザードランプを点灯するのがひとつのマナー。NEXCOでも奨励している合図なので、積極的にハザードランプを活用しよう。