いまでも語り継がれる自画自賛系キャッチコピー
「ケンとメリーのスカイライン」4代目日産スカイライン/1972年
先代の箱スカが「愛のスカイライン」だったのに続いて、この4代目では男女のモデルを起用し、この2人の「役名」がケン&メリーだった。TVCMでは風光明媚な日本全国を旅するシリーズとし、その中で登場した北海道・美瑛の丘に実在の「ケンとメリーの木」は後に観光名所になったほど。またケン&メリーにちなんだ相合い傘のステッカーやTシャツ(筆者も当時買ったが厚手の上質な生地だった)などのグッズも販売された。
「ゆっくり走ろう、ゆっくり生きようローレル」2代目日産ローレル/1972年
1972年登場の2代目日産「ローレル」は、初代のヨーロッパ車調のスマートだったスタイルから一新、グッとボリューム感のある姿に生まれ変わった。とくにハードトップの分厚いメッキのバンパーに大型のリアコンビランプを組み込んだデザインは特徴のひとつ。クルマそのものも「セドリック/グロリア」に次ぐ上級車ということで、ゆったりとした走りを訴求し「ゆっくり……」のコピーがゆったりとした曲調のCMオリジナル曲とともに採用された。
「足のいいやつ」トヨタ カリーナ/1970年
ノリとしては「ファイト一発!」の某栄養ドリンクのコピーならびにCMに近いイメージ。当時、TVドラマ『キイハンター』(ご存知だろうか?)のキャストのひとりとして人気のあったアクションスターの千葉真一を起用。兄弟車が初代「セリカ」だったこともあり「足のいいやつ」とうたい、ドライビンググローブを嵌めた彼がダート路(というか田舎のあぜ道)でカリーナをダイナミックに走らせるシーンでスポーティさを訴求した。
「いつかはクラウンに」トヨタ7代目クラウン/1983年
時はバブル前夜の1983年。4ドアハードトップの「クリスタルピラー」が特徴だった7代目「クラウン」は、11種類ものエンジン展開を始め、贅を尽くした仕様でハイオーナーカーの羨望の的に。スーパーチャージャー付きも登場。そんな中から、あたかも自然発生的に生まれたかのようなコピーが「いつかは……」だった。ちなみに初のハードトップ(2ドア)が設定された3代目(1967年)の、黒塗りのイメージを一新させた「白いクラウン」のコピーも有名に。