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スズキ「ジムニー シエラ」の納車を待って15カ月。気がつけばマイナーチェンジもあって、手元に届く前に旧型に…【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: SUZUKI

  • 5ドアのジムニー
  • 2024年2月の改良で、バックソナーなどが追加となった(写真はジムニー)
  • 2023年にインドで開催されたAuto Expo 2023にて5ドアのジムニー シエラが発表された
  • 改良が施されたジムニー シエラ JC
  • 改良が施されたジムニー シエラ JL
  • インドで発表されたジムニー シエラの5ドア

いまかいまかと待っていたらついに……

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「長期納車待ちの喜びと悲しみ」についてです。木下さんは長期納車待ちとなることをアナウンスされ、了承したうえでスズキ「ジムニー シエラ」の新車をオーダーしました。発注から15カ月経った現在もまだ納車されていないとのことですが、その間に仕様変更が行われています。わくわくしながら待つのも醍醐味ですが、新しいモデルが出てしまうのはやはり複雑です。木下さんは購入するのか、それともキャンセルするのか? 果たして?

改良モデルや派生モデルが追加されるのはやっぱり複雑

「すぐに乗りたい」

そう思っても、ここ数年の深刻な納期遅れによって、希望はそう簡単に叶わないようですね。僕もスズキ「ジムニー シエラ」を15カ月前にオーダーしているのですが、いまだに手元に届いてないのです。

納期が遅れることを納得したうえで注文したのですから憤りも感じませんし、待つ喜びを味わっています。ただし、納期遅れは問題を起こすこともあるようで、決して喜ばしいことではないようですね。

ジムニー シエラは、納車を待つ間にマイナーチェンジが行われました。注文書にサインをしたのは、マイナーチェンジ前のモデルですから、つまり、ようやく納車になったとしても、旧型の新車を購入することになってしまうわけです。

今回のマイナーチェンジは法規制への対応がメインです。エクステリアが刷新されるような劇的な変更ではないので、旧型を購入することになったとしても、納得できる範囲なのかもしれませんが……。

法規制によって、後退時の後方視界確保が2022年5月から義務化されました(継続生産車は2024年5月から適用)。つまり、バックカメラやセンサーが装備されただけなのです。外観から新旧の違いがあからさまになってしまうのは寂しいものですが、今回のマイナーチェンジは小改良に留まっているようです。

とはいうものの、新車の旧型を購入することには抵抗もあります。よしんばマイナーチェンジ後のモデルへスイッチすることが可能になっても、価格が変わります。原材料の高騰によって、平均して10万円ほど高額になってしまうのです。約200万円前後のジムニー シエラですから、決して小さい額ではありませんね。

さらに付け加えるならば、ジムニー シエラは待望の5ドアモデルが海外でデビューしました。僕が注文した時、すでに5ドアジムニーシエラの写真が海外でスクープされていましたが、それが現実になったのは、少なからず驚きでした。注文した3ドアが僕のライフスタイルに合っていますし、好みでもありましたので、5ドアの誕生はそれほど気にはならないのですが、それでも気持ちのいいものではありませんよね。

3ドアのジムニーシエラ

かつてこのコラムで、「日産の受注停止問題」に関して考察を述べています。待ってでも欲しい人がいるので受注停止はしないでくださいという気持ちを綴りました。それに対して日産の心配は、待っていただいているうちに旧型になってしまっては忍びないというものでした。今となっては日産の優しさは、身に染みて理解できます。たしかに、待っているうちに型落ちになってしまうのは、いささか寂しいものですね。

とはいうものの、僕はまだジムニー シエラの納車日が確定する日を心ワクワクさせながら待つことにします。巷の噂によると、ジムニー シエラの生産の遅れは18カ月とされていますから、もうまもなくです。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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