ロードカーの開発にも関わっていた「音速の貴公子」
2024年4月12日~14日に行われたAUTOMOBILE COUNCIL 2024(オートモビルカウンシル)では特別展示として、不世出の天才ドライバーであり「音速の貴公子」と呼ばれ、記録にも記憶にも残っている人気ドライバー、アイルトン・セナ選手にかかわるクルマたちが展示されていました。
3台のマシンと1台の市販車が展示
アイルトン・セナ選手が1994年のサンマリノGPで、悲しいアクシデントに遭い旅立ってから30年となることから、オートモビルカウンシル2024では主催者テーマ展示の特別企画として「アイルトン・セナ没後30年 特別企画 駆け抜けた天才の記憶」と銘打たれた展示が企画されました。展示車両を具体的に見ていくと3台のF1GPマシン、1985年の「ロータス97T・ルノー」、1990年の「マクラーレンMP4/5B・ホンダ」、翌1991年の「マクラーレンMP4/6・ホンダ」に加えて、ロードカーとして1996年のホンダ「NSX-R」の4台が特設エリアに並べられていました。いずれも30年前後も以前のクルマとなるので、あらためて1台ずつ紹介していきましょう。
ロータス97T・ルノー
漆黒のボディにゴールドのロゴマークとピンストライプが走るJPSカラーに彩られたロータス97Tはチーム・ロータスが1985年シーズンのF1GPに投入したマシンで、前年の95Tをベースとしながらもアルミハニカムをカーボンファイバーでサンドイッチするモノコックが大きな変更点。
エンジンは同様にルノーの1.5Lの90度V6ツインターボを搭載していました。何よりも見逃せないポイントは、前年にトールマンからF1GPデビューを果たしたセナ選手がドライブしたこと。
シーズン第2戦のポルトガルGPでは彼自身初となるポールポジションを奪い、豪雨となった決勝レースでも2位に1分以上の差をつけるとともに3位以下を周回遅れとする独走劇で初優勝を飾っています。このポルトガルGPは当初ナンバー2で加入したセナ選手が、エースとして評価されるきっかけとなったレースとしてファンの記憶に残っています。