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4億6600万円! オークション初登場のアストンマーティン「ヴァルキリー」の仕様とは? ほぼ新車同然、コレクターの注目集まる

4億6600万円! オークション初登場のアストンマーティン「ヴァルキリー」の仕様とは? ほぼ新車同然、コレクターの注目集まる

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

史上初めてマーケットに現れたヴァルキリーは、どんな個体?

この種のハイパーカーではよくあることながら、世界限定150台生産とされたヴァルキリー クーペは、新型車として発表された直後にSold Out。しかもまだ比較的新しいモデルであるため、顧客へのデリバリー以後もマーケットに出回る車両は皆無に等しく、とくに国際オークションに出品される機会については、新車購入権を得られなかった世界中のエンスージアストが待ち受けていたことだろう。

このほど、世界初の事例としてRMサザビーズ「ドバイ」オークションに出品されたアストンマーティン ヴァルキリーは、公式ウェブカタログ作成時の走行距離計の走行距離はわずか123kmという、いわゆる「慣らし運転も終わっていない走行距離」。エクステリアは濃い目のグレーである「シンティラ・シルバー」にコントラストの効いたスピードレッドのディテールが施され、威嚇的な存在感を放っている。

これには、フルレングスの赤いボディストライプと、フロントスプリッター、サイドシル、リアディフューザーにも同色のピンストライプを組み込んだ「Q」パーソナライゼーション部門の手による、サテンとグロスのグラフィックパッケージが含まれる。

また、ヴァルキリーの視覚面を引き立てるそのほかのオプションとして、露出したグロス仕上げのカーボンファイバー製ツインルーフとエンジンカバー、レッドのブレーキキャリパーを備えたマットブラックのマグネシウム合金製パフォーマンスホイール、ジルコテックブラックのエキゾーストパイプなどが挙げられる。

いっぽうインテリアでは、ブラックのアルカンターラに露出したサテン仕上げのカーボンファイバーツイル、スパイシーなレッドのアルカンターラをブレンドし、エクステリアを完璧に引き立てるカラースキームを実現している。

また、カーボンファイバー製シェルを持つシートには、ブラックの6点式ハーネスが取り付けられ、チタン製のトグルスイッチが取り付けられてされている長方形のステアリングホイールは、F1マシンに近いクルマに乗っていることをつねに実感させてくれよう。

アストンマーティン ヴァルキリーは、もしかしたらコレクター間で秘密裏に譲渡された事例があるのかもしれないが、少なくともパブリックな場でオークションに出品されるのは、今回が初めてのこと。当然ながら、オークションの数カ月前から海外のスーパーカー情報チェイサーたちの間ではかなりの話題となっていたようだが、そんな状況を踏まえてのことなのか、RMサザビーズ欧州本社では290万ドル~330万ドルという、かなり強気のエスティメート(推定落札価格)を設定していた。

そして2024年3月8日に行われた競売では307万625ドル、当時のレートで日本円に換算すると約4億6600万円という、なかなかの大商いが成立するに至ったのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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