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「GRスープラ」で小林可夢偉と3名の若手ドライバーがノルドシュライフェ初挑戦! 初ニュルの感想を現地で聞いてきました

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TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)

平良 響選手

「このプロジェクトのメンバーに選ばれ、今回NLS参戦への打診を頂いた時は本当に嬉しい気持ちでニュルへとやってきました。コースが狭いのと縦Gの感覚に“怖さ”を味わい、ここがニュルだということを改めて思い知りました。特にジャンピングポイントで強く体感する縦Gでは、着地の際に崩れるバランスを操る難しさがありました。日本のサーキットではなかなかあんなに強い縦Gを感じる所はありません。

ニュルではプロのレーシングドライバーとしての“怖さ”がある一方で、それを超える“心地よさ”があります。喜びを感じながら初めてのニュルを走りました。初めて来て、ポンと勝てるようなサーキットではない事を理解出来ているだけに、今回は第1段階としてライセンスを取得し、今後少しずつ経験を積みながら“レースをする”というコンディションに持って行けるようにしっかりと今後も頑張りたいと思います」

野中誠太選手

「スーパー耐久レースではGRスープラGT4で参戦しており、マシンには慣れていましたので、初めてのコースでしたが、その点では安心して走れたと思います。コーナーの先が見えない、縦にジャンプして強く感じるニュル独特のGを様々な個所で経験し、日本のレース活動ではあり得ないコンディションは、私にとって特別な体験となりました。

ニュルのエスケープゾーンがないような狭い箇所でGT3マシンに道を譲る場面では、私自身もラインを外すとかなりのリスクもあり、壁が近いという恐怖感もありましたが、周回を重ねて少しずつ慣れていく中で、後ろを見る余裕も出来てきました。同じGT4マシンでも、日本の一般的なサーキットを走った時には全く感じない縦Gやバンク、ハイスピードとブラインドコーナーが続くといった日本では体験したことのないコースレイアウトを多く体験でき、クルマのキャパシティやセッティングのセンサーを感じ、自分の中の引き出しが増えたと思います。

ドライバーとコースマーシャルとの距離が近いのが印象的でしたが、コード60をはじめ、ニュル独自の様々なルールがある中で、自分よりも前に誰かが走っていた場合、視界がとても悪く、旗が見え難かったので、見落とすまいと必死でした。チームの目標はノーミスでライセンスの取得を掲げていましたので、私のミスで全員に迷惑を掛けるワケにはいきません。

今回のプロジェクトで初めて可夢偉選手と同じチーム、それも全く同じコンディションで走る機会を与えて頂いたお陰で、先輩の様子をじっくり観察出来たのですが、コースに慣れ、適応する時間の圧倒的な早さ、チームの引っ張り方というのを見ていて、改めて自分の足りない部分や学ぶべき点を多く発見しましたし、直接可夢偉選手からは多くのアドバイスを頂いたので、それを今後の活動に活かせていきたいと思っています」

無事に走りきった4名のドライバー。今後もニュルへの挑戦は続く

今後このTGR-DCのドライバーのニュルプロジェクトでは、今季のNLSに複数回参戦し、プロジェクトメンバーに選出されたドライバーが、日本での活動のスケジュールを調整しながら、小林らと同様に順次ニュルライセンスの取得と、レースサポートを行うKCMGやTGRE(TOYOTA GAZOO Racing EUROPE)のカスタマースポーツのサポートチームのレースフォーメーションを実地で学ぶ目的で渡独する予定だという。日本やアジアで活躍するTGR-DCのドライバーが、今後世界トップクラスへと成長する姿に期待を寄せ、応援したい。

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  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • ドイツ ミュンヘン市在住 フリーライター&コーディネーター。東京で学生生活を謳歌した後にオーストリアのザルツブルグで再び学生生活を謳歌し、なんとか卒業。三度目の学生生活を謳歌しにミュンヘン大学入学を機にドイツへ。ミュンヘン大学在学中の現地広告代理店でのアルバイトがきっかけで、モータースポーツに魅せられて大学を中退し、モータースポーツ業界へ飛び込む。愛車のBMW M240iカブリオレを駆り、ヨーロッパ各国のサーキットへ取材に向かう。趣味はアルプスの峠越えドライブと蚤の市めぐり。好きなサーキットはニュルブルクリンクとスパ・フランコルシャン。ヨーロッパ生活はもう少しで30年。
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