セナがポルトガル滞在中に提供された
そのセナがプライベートカーとして所有していたホンダNSXが、2024年4月23日に英国最大の自動車マーケット「オート・トレーダー」から50万ポンド(邦貨換算約9636万円)という驚きのプライスで売りに出された。世間では、有名人が所有した希少なクルマが次のユーザーの手に渡るとき、市場価格に加えて有名人が所有したという履歴に大きなプレミアが付くことがある。
アイルトン・セナは1980年代後半から1990年代初頭にかけて41のグランプリでポディウムに立ちマクラーレンで世界を制した。出身地であるブラジルでは国民的英雄として扱われ、『レーシング・イズ・イン・マイ・ブラッド』で映画化もされたが、その劇中にも「NSX」が登場している。
セナが所有していたNSXの現オーナーはロバート・マクファガン氏で、ポルトガルの旅行中に見つけたという。2019年、セナの事故から25年を契機にイタリアのイモラ・サーキットへ運ばれ、ジャンカルロ・ミナルディ氏がセナのファンの前で走行して見せた。
いまさらNSXについては語るべくもないが、和製ミッドシップスーパーカーとしてエキゾチックカーの仲間入りをしたクルマ。開発にも携わったセナが、ホンダとの契約下にあったポルトガル滞在中に提供されたものとされ、滞在中には頻繁にドライブしていたという。1991年の登録で走行距離は6万kmを少し超えた状態だ。いまやオリジナルのNSXでさえ希少なもので、取引があるとすれば高価には違いなく、オリジナルの状態をよく残している。購入を希望する者がセナファンであることは間違いないだろう。