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別格ゆえに5億円! メルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン スターリング・モス」の特別仕様カラーは新車時の約5倍の値段に

別格ゆえに5億円! メルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン スターリング・モス」の特別仕様カラーは新車時の約5倍の値段に

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

SLRマクラーレン一族ではとびぬけたマーケットプライス

このほどRMサザビーズ「Dubai 2024」オークションに出品されたSLRマクラーレン スターリング・モスは、2009年12月にヨーロッパ仕様車として工場をラインオフ。いったんはルクセンブルクに新車として納車された直後に中東に移され、以後はずっと中東の現オーナーのもとにあるとのことである。

ボディペイントは「クリスタル・アンティモン・グレー」と銘打たれた特注カラー。ブラックのカーボンファイバーと「アンスラサイト(濃灰色)」のレザーによるスパルタンながらラグジュアリーなインテリアを組み合わせ、さらに「シルバーアロー300SLレッド」と名づけられた赤いトリムと差し色が、モノトーンの内外装に華やかなアクセントを効かせている。

新車以来のマイレージは、オークションのために製作された公式ウェブカタログの作成時点で9233km。この種のハイパーカーとしては比較的伸びている部類に属しながらも、エクステリア/インテリアからメカニズム系に至るまで、全体的に良好な状態を保っていると申告されていた。

また走行距離と同じ背景から、一度納車されてしまったら秘匿されがちな中東のハイパーカーの中では、これまでの車歴を通じてかなり表舞台にも登場してきた部類に属するようだが、とくに2012年のイタリア本国版ミッレ・ミリアと随走した「メルセデス・ベンツ1000ミリア」チャレンジに参加した25台のSLRマクラーレンの中の1台であることは、この個体についての注目に値するヒストリーといえるだろう。

今回のオークション出品に際しては、専用のゴーグルをはじめとする多数の純正アクセサリーが付属されているそうで、次のオーナーがこのバルケッタを存分に楽しむことができるようになっているとのことだった。

RMサザビーズ「Dubai」オークションは、舞台はドバイながら売買はすべて米ドル建て。また、この種の分かりやすくて派手なハイパーカーがコレクターズアイテムとして格別の人気を誇る中東マーケットを考慮してか、300万ドル〜350万ドルというなかなか強気のエスティメート(推定落札価格)が設定されていた。

そして迎えた2024年3月8日の競売では321万1250ドル、日本円に換算すると約5億円に相当するビッグディールとなったのだ。

新車として登場した当時、2010年には日本国内に2台だけ(シルバーとブラックが1台ずつといわれる)が正規輸入され、その販売価格は1億1000万円に達したというが、為替レートはさておき今回のハンマープライスは約5倍にも相当することになった。

とはいえ、ハイパーカーとしては最もリーズナブルなモデルともいわれるスタンダードのSLRマクラーレンの相場価格の5〜8倍、SLRロードスターの相場に対しても3〜5倍にも相当する価格を決定づけている理由は、SLRファミリーの中でも「スターリング・モス」がもっともエクストリームなモデルであること、そして格別の限定モデルであることに、異論を挟む余地はないだろう。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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