季節の変わり目は愛車の点検のタイミング
ゴールデンウィーク(以下、GW)も後半に突入。新緑の気持ちいい季節なので、ロングドライブを計画している人も多いと思いますが、1日の最低気温と最高気温の温度差が大きいこの季節は、クルマのトラブルが増える季節でもあります。旅先で思わぬトラブルに遭わないために、ドライブの前にひと通りチェックしておきたいポイントを解説します。
JAFの出動率が高くなるGW
ゴールデンウィークはドライブに最適な季節だが、クルマのメンテナンスをするのにもいい季節。クルマの利用者が増えれば、それだけクルマのトラブルも多発する。JAFによると、2023年のGWのロードサービス出動は10日間で6万2766件。出動理由の半数以上はバッテリーとタイヤに関するトラブルだった。
それだけにゴールデンウィーク後半は、どこかに出かける前にバッテリーとタイヤ、そしてエンジンルームの点検だけは行っておこう。まずはJAFロードサービス出動理由の4割を占めるバッテリーから。
バッテリーは半年に1度は点検を
冬のあいだ、バッテリーは寒さの影響で化学反応が鈍くなり、容量が下がってしまう。季節や気温による影響でバッテリーが酷使されているので、この時期はお疲れ気味だ。また5月になると、夏日や真夏日になる日も増えてくる。気温が上昇すると、高温によりバッテリーの電解液の活性が活発化し、自己放電が進むので弱り気味になる。
おまけに、ゴールデンウィークで渋滞にはまると、電気の使用量に対し、充電が不足気味になるので、一度コンディションチェックをしておくのが安心だ。バッテリーのチェックは、専用のテスターCCA値=コールドクランキングアンペア(Cold Cranking Ampere)を測定できるCCAテスターで計測するのがベスト。CCAテスターを使えば、新品時に対し何%劣化しているか正確にわかるからだ。ディーラーやカー用品店でも、CCAテスターを持っているところは多く、頼めば無料で計測してくれるので、気軽にチェックしてもらおう。
なお、自動車用のバッテリーの寿命は、2〜3年がひとつの目安。最近のバッテリー、とくに高性能バッテリーほど、寿命が尽きる直前まで普段どおり働き、突然死する傾向にあるので、2年以上使用しているバッテリーは、半年に1度は点検をしたい。
給油とともに必ず空気圧を調整
次にタイヤ。「タイヤのパンク・バースト・エアー圧不足」は、JAFロードサービス出動理由の第2位で、約2割。高速道路に限れば、約3割がタイヤのトラブルだ。日本自動車タイヤ協会(JATMA)が実施した調査では、5割近いクルマが空気圧不足の状態で走っていたことがわかっている。
タイヤは適正な空気圧で走ってこそ性能を発揮するので、高速道路に乗る前は、給油とともに必ず空気圧を調整することを習慣にしよう。同時にタイヤ表面の亀裂や損傷、摩耗状態も目視で確認。溝の残りが少なかったり、偏摩耗が見られたら、梅雨を迎える前に交換すること。
またタイヤはゴム製品で「ナマモノ」なので、鮮度が命。新品装着から4年以上使用していたら、溝の残量にかかわらずそろそろ交換の検討を。5年以上なら問答無用で交換したい。
ついでに見ておきたいポイント
その他、ボンネットを開けて、ウインドウウォッシャー液の補充や、エンジンオイルの量、クーラントの漏れの有無ぐらいは点検し、ワイパーゴムの劣化具合もチェック(ワイパーゴムは1年に1度ぐらいは交換を)。
慣れない人は、大手カー用品店の「無料愛車点検」などのサービスを利用する手もあるので、季節の変わり目、とくに春と秋には、マイカー点検を忘れずに行いたい。