京都を感じるクラシックカー専門店
輸入車およびマツダの正規ディーラーを運営するほかにもレストラン/カフェ事業やウェルネス事業、アート事業などにも参画しているマツシマホールディングスは、とくに同グループの基幹である自動車については「クルマを、文化に」という、グループ全体の社是とするキャッチフレーズを規定。正規ディーラーとしての役割を果たすだけでなく、自動車の文化的側面にも真剣に向き合うことを決意し、その一環として「MATSUSHIMA CLASSIC CARS」を立ち上げたとのことである。
今回展示されたうち、300SLガルウイングは非売品の参考出品。SLS AMGはイベント直前に売り先が決まってしまったことから、今回は展示のみとなってしまったという。
そのため、今回唯一販売の対象となったのは、自社でレストアを行ったという1969年型の280SL、通称「パゴダ」なのだが、US仕様から欧州仕様にコンバートしたというこの個体は、なかなか魅力的だった。
ボディペイントは傷んだ部分を再塗装しているが、可能な限り元色を残して磨き上げたとのこと。またインテリアは、ほぼオリジナルのものを部分的に補修して維持したとのことながら、そのレストアのセンスはかなり優れたものとお見受けする。旧いオリジナルを可能な限り生かすやり方と、筆者の撮った拙い写真では表現が難しいが、この香り立つようにあでやかな雰囲気に、筆者はそこはかとない「京都」を感じてしまったのだ。
MATSUSHIMA CLASSIC CARSは、その公式ホームページ内で、以下のように語っている。
「文化が生きる京都の地だからこそ、クルマという文化を人と一緒に紡いでいきたいと考えています。我々が考える自動車文化とは、クルマをただの移動手段として扱わず、日常的にクラシックカーを楽しむことができ、自動車を嗜む面白さをたくさんの人へ広め、それをまた次の世代へと受け継いでいく世界です」
こうして、関東近辺のカーマニアにとっては、ちょっと大げさにいえば未知の存在でもある地方のスペシャルショップと出会うことができるのも、オートモビルカウンシルのようなトレードショーの、大きな魅力のひとつであることを実感したのである。