スバル伝統の4気筒+四輪独立サスペンションを採用
1998年10月に登場したスバル「プレオ」は「ヴィヴィオ」の後継モデルとしてリリースされました。また、注目するべき点は「RS」グレードに世界初となる7速マニュアルモードを備えたスポーツシフトi-CVTも設定したこと。軽自動車でありながら技術的なトピックスを欠かさないのはさすがのスバルといえるモデルでした。
スポーティグレードにはDOHCスーパーチャージャーのモデルもあった
1993年に登場した初代スズキ「ワゴンR」をきっかけに、軽自動車の新たなスタンダードとなったトールワゴンスタイル。ワゴンRの後を追うように1995年にダイハツ「ムーヴ」、1997年にホンダ「ライフ」といったモデルが次々登場したのはご存知の通り。そんなトールワゴンの最後発となったのが、1998年10月に登場したスバル「プレオ」だった。
それまでスバルは「レックス」から発展した「ヴィヴィオ」を販売し続けてきたが、さすがに軽セダンだけでは太刀打ちできなくなってきたということで、ヴィヴィオの後継モデルとしてリリースしたのである。ただスバルの軽自動車として伝統の4気筒エンジンや四輪独立サスペンションはプレオとなっても不変で、レックス時代から存在していたスーパーチャージャー仕様もラインナップ。とくにヴィヴィオ時代に高い評価を集めたDOHCスーパーチャージャー仕様のエンジンも「RS」というグレードに継続採用され、トールワゴンでありながら高い運動性能を持ち合わせたモデルとして独自性を持ったモデルとなっていたのだ。
またトランスミッションにはベーシックな5速MTのほか、スバルがいち早く市販モデルに搭載し続けてきたCVTが採用されており、スポーティグレードのRSとRMには7速スポーツシフトを搭載し、スポーティな走りを実現していた。
実用的なベーシックグレードからスポーティグレードのRSまで用意したプレオだが、商用登録となるバンもラインナップしており、1999年6月にはレトロな雰囲気を持ったエクステリアが人気だった「ヴィヴィオビストロ」の実質的後継モデルである「ネスタ」を追加。さらに2000年12月にはどこか国民的人気キャラクターを思わせるフロントマスクの「ニコット」も登場した。
そんなワイドバリエーションを誇ったプレオだが、やはりファンからはホットなモデルに期待する声が多かったようで、2001年10月の改良で、それまでCVTモデルのみだったDOHCスーパーチャージャーエンジンを搭載したRSに待望の5速MTを追加。
さらにMTを追加しただけでなく、軽量フライホイールやメタルガスケットを用いた高圧縮比化でハイオク仕様としたほか、専用のカムやプーリーなどを採用。もちろんボディにも補強がプラスされ、足まわりも専用のものが与えられるなど、メーカー純正チューンドとも言える大幅な改良がなされていたのだ。
そんなRSモデルも2003年12月にR2が登場すると消滅し、プレオ自体はその後も併売がされていたが、2010年の春に終売となった。
プレオの実質的な後継車種としては2006年6月に登場した「ステラ」が存在し、こちらにもDOHCスーパーチャージャーエンジンを搭載したグレードが存在していたが、ステラのDOHCスーパーチャージャーエンジンモデルにはMT仕様が存在しなかったため、いまだにプレオRSを愛用し続けるファンも少なくないようだ。