会場には懐かしいマシンも展示
一方、WRC系では1992年のアイボリーコースト・ラリーで、篠塚建次郎選手のドライブで総合優勝を飾った「ギャランVR-4」と、2001年のモンテカルロ・ラリーでトミ・マキネン選手のドライブで総合優勝を飾った「ランサー エボリューションVI」が展示されていました。
VR-4は、当時のWRCで「必須アイテム」とされていたツインカムエンジンをターボで武装したハイパワーとフルタイムの4輪駆動を標準装備していて、WRCのトップカテゴリーが、それまでのグループBから、よりベースモデルのポテンシャルが重視されるグループAに移行したことで、WRCへの復帰に足掛かりをつけることになりました。
そしてこの基本コンポーネントは後のランサー エボリューションへと継承され、進化を続けることになりました。その結果1996年にはランサー エボリューションIIIでマキネン選手がWRCにおいてシーズン5勝を挙げてドライバーズチャンピオンに輝きますが、さらに年々進化を遂げるランサー エボリューションでマキネン選手は1999年までWRC4連覇を果たすとともに、1998年には三菱にコンストラクターズチャンピオンの栄光ももたらしています。
2000年代に入るとWRCの主流は、グループAよりも改造範囲の大きいWRカーへと移行していきランサー エボリューション(の市販モデルをベースにしたグループA車両)の参戦は終焉を迎えることになりますが、その一方で市販モデルのランサー エボリューションはなおも進化を遂げていきました。そしてその集大成として2015年には「ランサー エボリューション ファイナルエディション」が登場することになりました。
「最後のランエボ」は1000万円オーバーで販売!
今回、オートモビルカウンシル2024の三菱ブースには、深紅のロードモデル、2015年に1000台限定で販売された特別仕様車、ランサー エボリューション ファイナルエディションが並べられていました。こちらは「ブース内展示販売車両」とされ1100万円のプライスタグも付けられていましたが、じつは初日には1025万円のプライスタグが付けられた個体が展示されていました。それが当日の午前中には成約され、最終日にはまた別の個体が展示されていたのです。
当時の新車価格=429万8400円(消費税込)から考えれば2倍以上の驚くべき価格なのですが、同車の人気の高さが感じられるエピソードでした。なお三菱では収益の一部は2024年1月に発生した能登半島地震の義援金に充てられるとしています。
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そんな三菱のモータースポーツへの挑戦の歴史を支えてきたドライバーのひとりである篠塚建次郎さんは、2024年3月18日に逝去されましたが、今回の三菱自動車ブースでは、彼がドライブして1992年のアイボリーコースト・ラリーで総合優勝を飾ったギャランVR-4を展示するとともに、「篠塚建次郎さん ありがとう」と題して、彼が三菱自動車に入社して以降(同社を退職後、プライベートとして挑んだ時期も含めて)の、パリ・ダカール・ラリーやラリー(WRC/APRC等)の戦績を示す年表を掲示し、追悼の意を表していました。