クルマ趣味の先輩が実現のバックアップをしてくれた
後藤さんからイベント開催の夢を相談されて、喜び応援してくれたのが、同じ横浜赤レンガ倉庫で「横浜ヒストリックカーデイ」を10年以上にわたり主催している有山さんだった。自分のこれまでの経験を全て伝えるなどしてその実現の後押しをしてくれた。
「この赤レンガ倉庫の広場は横浜市の管轄で審査があるのですが、有山さんのアドバイスを受けながら企画書を書いて提出。無事審査を通過すると有山さんも自分のことのように喜んでくれました」
このようにピアッツァ乗りの後藤さんが振り返ると、さらにBXの本田さんが続ける。
「そうなると覚悟が決まりましたね。過去にイベントに参加している人や、積極的に活動してる同世代のオーナーの招待は、僕と甲野で手分けをして参加メンバーを誘いました」
S2000の甲野さんによると、募集方法には苦心したそうだ。
「クルマ選びというか人選は悩みましたね、一般公募もしたかったのですが、3人だとカバーできずに迷惑をかけちゃうかもしれないので、3人の知り合いに声かけしました」
「若者」をテーマにクルマ文化をつなげていきたい
結果的に、会場のキャパシティである約100台という台数が、彼らの知人友人で埋まったのは、それだけクルマ趣味を楽しんでいる同世代がいるということ。「同じ年代の仲間たちの愛車を展示する場所」が横浜赤レンガ倉庫となったのは、3人とも横浜育ちである彼らにとって必然でもあったのだ。
そうして、遠くは四国や北陸など、全国各地から集まった35歳以下のオーナーのジャンルもさまざまなクルマたちが105台も集まった「YOKOHAMA CAR SESSION」。開催を終え清々しい表情の、3人のリーダー後藤さんに話を伺ってみた。
「今回のイベントは参加してくれたエントラントの仲間たち、誘導を手伝ってくれたみんな、運搬を手伝ってくれた人、賛同してブースを構えてくださった皆さん、作り上げた全員に感謝します。“若者”というテーマがあるので、次の世代にバトンを渡す日も来ます。それまで、最高の状態にしていきたいですね」
という言葉に、クルマを楽しむ新しい世代の明るい未来を感じたのであった。