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なんちゃってセレブが「核融合科学研究所」へ大人の社会科見学!「核融合」は原子力発電の「核分裂」とは違うのよ〜

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TEXT: 吉田由美(YOSHIDA Yumi)  PHOTO: 吉田由美(YOSHIDA Yumi)

1998年から実験がスタート

核融合科学研究所の土地面積は46万4445平方メートル、建物の面積3万9203平方メートルと、広大な敷地を有しているわ。アクセスは多治見駅からバスで20分ぐらいよ。では核融合科学研究所へ潜入するわよ〜!

まずはじめに向かったのは制御室。2024年3月から新しい実験がスタートし、ここで運転状態の監視、調整、プラズマ計測のデータ処理などを行うの。かなり広く、席数も多いのだけど、大学共同利用機関のため100人もの人がここで研究を行っているの。1998年3月から核融合科学研究所での実験がスタートし、今までに行われたプラズマの実験は19万6回。ここでは3MW(メガワット)の電力量を使用しているわ。ドラマなどの撮影でもよく利用されていて、『下町ロケット』や『MIU404』などでも登場したのよ~。

制御室を出て、メインのプラズマを作る「大型ヘリカル装置(Large Helical Device)」のある実験室に行く前に、模型を使って仕組みの説明を受けたわ。プラズマは中が真空になっている直径13.5mのドーナツ型の装置の中で作られているわ。2本のねじれた超電導コイルを使用してプラズマを容器に閉じ込める「ヘリカル方式」が、ここ核融合科学研究所の特徴なの。

大型ヘリカル装置の総重量は1500t。そのうちの約半分の約850t以上は現在、超電導状態になっていて-269℃まで冷却されるわ。一方では1億°Cという超高温まで熱せられ、ここには大きな温度差があるのだけど、コイルを長く使うためにはコイルの温度を低く保つ必要があるの。超電導コイルでは電気抵抗がゼロになるため、1年間コイルに電流を流してもコイルがあたたまらないため継続して使用可能なのよ~。

いよいよメインの実験室へ

いよいよメインの実験室へ。ここに入るには、白衣とヘルメット、スリッパを着用し、放射線量測定装置を常備するわよ。実験室は広く、大型ヘリカル装置の周囲にプラズマを作ったり、温度を上げる「加熱装置」やヘリカルコイルに使われている超電導磁石を液体ヘリウムで冷やす「冷却措置」が設置されるわ。それと実験時に大型ヘリカル装置の中を宇宙と同じぐらいの真空状態にする「真空排気装置」があったわ。実験室の扉はギネスブックで世界一の重さのドアとして認定されていて、コンクリート製で厚さは2m、重量は720tもあるのよ〜。

なかなか興味深い「オトナの社会科見学」だったけど、技術的に強磁場で大型の伝導コイルが必要で、超低温と1億°Cを共存させる必要があったり、プラズマを浮かしながら燃やし続ける必要もあることが分かったわ。さらに燃料を閉じこめつつ排気ロケットノズル並みの熱処理が必要など、これらをすべてクリアにせねばならないの。そうそう、人材の育成もね。日本がこの分野でぜひリードして1日も早い実用化を期待しているわっ。なにしろ「夢の次世代エネルギー」ですもの! ちなみに核融合科学研究所では、施設見学を事前予約制で火曜日~金曜日に開催中よ。

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