自分より年上のキャトルは通勤や移動を楽しさに変えてくれる相棒
近年、若者世代にクラシックカーやヤングタイマーなど趣味性の高いクルマを楽しむオーナーが増えています。フランスの大衆車、ルノー「キャトル」で石川県から飛騨を越えて横浜のイベントまで参加した脇本 真さんは25歳。可能な限り自分でメンテしながら通勤から遠出まで楽しむ、若者のカーライフを聞いてみました。
じつはこれで2台目のキャトル、1台目は部品取りとして活用
履き慣れたスニーカーといった雰囲気のルノー「キャトル」のラゲッジに腰かけてくつろいでいた脇本 真さんは25歳。ほどよくヤレており、とても自然でクルマとオーナーが見事に調和している。
「YOKOHAMA CAR SESSION~若者たちのカーライフ~」と銘打って、35歳までのクルマ好きな若者たちの愛車およそ100台が各地から集まった横浜赤レンガ倉庫にあって、彼のキャトルは石川ナンバー。なかなかの遠方組だ。聞けば、奥飛騨街道から安房峠を越えて松本に出て、中央高速を使ってきたという。
「フランス車のイベント、フレンチブルーミーティングでも、そのコースですし、どうせならワインディングの方が楽しいですから」
と笑顔で語ってくれた脇本さんの愛車は、ルノー「4(キャトル)TLサヴァーヌ」、初年度登録が平成6年ということは、おそらく1992年製造の最終限定モデルだろう。
「ゴルフ2など水冷VWにも興味があったのですが、すでに所有しているNAロードスターを維持しながらの増車なので、比較的安く買えること、部品に困らないこと、バイクと同じような要領で整備できそうなこと、あと何よりロードスターと全くキャラが被らないクルマという条件で探すと、シトロエン2CVかルノー キャトルだったんですよね」
ちょうど、脇本さんが探し始めた時に、Twitter(現X)で知り合った友だちの友だちが、予算内でキャトルのGTLを売りに出していたのを買ったのが始まりだという。あれ、グレードはGTL?
「はい、今日乗ってきてるのは、自分にとって2台目のキャトルなんです(笑)。1年ちょっと乗った初代がサビでダメになってしまったのですが、やっぱりキャトルに乗りたくて、県内で店頭販売していた、このサヴァーヌに乗り換えたのが2年前。初代のGTLはそのまま部品取りにしました」
見た目よりも機関重視で遠征ドライブもエンジョイ中
通勤から普段使いまで、古いクルマだと特別扱いせずに、暑い夏の日も、雨や雪の日も乗っているという脇本さん。地元にはBL「ミニ」やSRL311型ダットサン「フェアレディ」に乗っている同世代の仲間もいるそうだ。
イベントや旅行では遠方にも出かけるという脇本さんのキャトルとの付き合い方は、できる限りの整備は自分でやること、遠方に出かけても自力で帰ること、見た目よりも機関重視で人に迷惑をかけないことが、現行車と違ったクルマに乗っている責任だという。なかなかしっかりしたポリシーをお持ちだ。
「以前、スバルのブラットに乗った友人と伊豆の河津まで行ったのですが、キャトルで走った西伊豆スカイラインや富士山麓の景色は忘れられません。今年の目標は四国まで行くことです。それまでにパーツを輸入して、水まわりのリフレッシュもしたいですね」
夏はミニ用のモンテキャリアに荷物を載せてキャンプへ、冬はスキーキャリアをつけてスキーに! 四季を通じてキャトルと一緒に趣味を全力で楽しむという、脇本さんと愛車の物語は始まったばかりだ。