BMW 130i Mスポーツでサーキット走行をエンジョイ中
近年、若者世代にクラシックカーやヤングタイマーなど趣味性の高いクルマを楽しむオーナーが増えています。今回紹介する“サキ”さんはもともと国産旧車でサーキットを楽しむ走り派でしたが、9カ月前に2006年式のBMW「1シリーズ」を入手。それも、魅力的なチューニングメニューがすでに満載された期待以上の個体でした。充実しすぎの内容を紹介します。
ずっと憧れていた6気筒・FR・MTのBMW
35歳までのクルマ好きな若者たちが全国各地から横浜赤レンガ倉庫に集まり、およそ100台がズラリと並んだ「YOKOHAMA CAR SESSION~若者たちのカーライフ~」。そんななか、白いボディカラーも眩しい1台のBMW「1シリーズ」を興味深く眺めていた見学中のキッズを運転席に招き入れ、その嬉しそうな様子に目を細めていたオーナーの“サキ”さん。
「僕も子どもの頃から、ずっとクルマ好きでしたから、なんか嬉しいですよね」
彼の愛車である2006年式BMW「130i Mスポーツ」(E87型)は、一見したところACシュニッツァー製のフロントスポイラーとリアスポイラーが追加されている以外、そんなに派手な印象はないが、内装を覗くとバケットシートや、データロガー付きメーターが備わるなど、何やらただならぬ雰囲気を漂わせている。若年層のクルマ趣味をテーマとした今回のイベントだが、スポーツドライビングに照準を絞ったクルマは多くはない。
サキさんは、6気筒のFRでマニュアルミッションのBMWに乗ってみたいという憧れを、ずっと持っていたという。
「日課のように中古車情報サイトを見るじゃないですか、良い出物はないかな~って(笑)。2023年の5月に見つけて、現車を見に行ったところ、整備記録もしっかりしていましたし、チューニング内容も、自分でやるとなると、時間もお金もかかる魅力的なメニューが施されていまして、これは買うしかないと即決しました」
手に入れたのは某有名ショップの元デモカー
もともと、国産旧車を自分でサスペンションをDIYで交換したりして、筑波サーキットや、本庄サーキットなどを走っていたというサキさん。今回は購入時点で、すでにチューニングされているクルマだった。
「じつは、このBMWなんですが、さる有名ショップのデモカーとして作られたクルマなんです。すでに後部座席も取り外されて2名乗車登録になっていたりしていて、う~ん、5枚ドアなのに……なんて思ってしまいましたが、なんと言ってもプロショップが作ったクルマはどう違うのか? それを知ることができるかと思うとドンガラ後部座席も気にならなくなりました(笑)」
その惚れ込んだモディファイ内容は、マフラーはLAPTORRで、OS技研製スーパーロックLSDを装着。足まわりはINTRAX 1K2の車高調整式サスペンション、LAPTORRテンションロッドモノボールベアリング、ARCスウェイバー(スタビ)、メンバーもリジカラ(Rigid Collar)で締め上げられている。4輪ともにタイヤはアドバン ネオバAD09がレイズのボルクレーシングRE30に装着され、ブレーキパッドはエンドレスMX72となっている。
室内を覗くとスパルコL360 φ33のステアリングに、AIMのデータロガー付きメーターMXM、シートはレカロRS-Gにシュロスの4点式シートベルト、足元はハーマンのペダルが組み合わされている。
18万キロ走ったとは思えない元気なエンジンに感動
「納車6日目で筑波TC1000を走ったのですが、以前から乗っている国産旧車との剛性感の違いや、LSD付きの後輪駆動車の操作に対する懐の深さに驚きました。エンジンパワーも265psですから3倍です。それにもまして純正のジオメトリーの良さを生かしたサスペンションセッティングは、硬いのですが、不快さがなく、これしかないって感じですね」
はじめて経験したという電子スロットルも当初は「かったるい」と感じたそうだが、電子制御と仲良くするという課題もクリアし、それもうまく利用する走り方になってきたという。18万km走破したとは思えないほど元気な3L直6のN52B30Aエンジンにも満足している様子だ。
「手に入れてから9カ月でナリタモーターランドや日光サーキット、茂原サーキットなどのミニサーキットは走りました。これから袖ヶ浦フォレストレースウェイや富士スピードウェイなど、まだ走ったことのないコースも積極的に走って、日本一速いE87を目指したいです」