普段見かけるクルマも増税対象になっている
毎年5月末を期限に支払う、自動車税。登録から13年が過ぎたモデルについてはグリーン化税制の名のもとにおおむね15%重課となってしまいます。今回は2024年から増税の対象となるモデルたちを紹介。いずれもまだまだ旧いクルマとは思えないものばかりです。
登録から13年経過で15%の重課
楽しい連休も開けて日常に戻っている人が多いタイミングに、畳みかけるようにやってくるのが自動車税の納税通知書だ。納税は国民の義務であることは重々承知しているものの、毎年この時期になると憂鬱な気持ちになる人も多いことだろう。
そんな自動車税はグリーン化税制の名のもとに、登録から13年が経過したガソリン車と11年が経過したディーゼル車にはおおむね15%の重課が課せられる。今回はそんな重課の対象となる可能性のある2010年から2011年に登場したクルマを振り返ってみたい。
日産ジューク(2010年6月登場)
日産の新たなコンパクトクロスオーバーSUVとして「ノート」や「キューブ」、「ティーダ」などが使用していたBプラットフォームを用いて作られた「ジューク」は、登場当時、そのあまりに個性的なデザインに賛否両論が巻き起こった1台だ。
そんなジュークはクロスオーバーSUVでありながら走りにも重きを置いたモデルとなっており、1.6Lターボエンジンを搭載したGT系や、2013年にはNISMOロードカー第1弾となるジュークNISMOも追加されるなど、ルックスに違わぬ個性を持ったモデルとして、2019年まで販売されるロングセラーとなった。
ホンダ フィットシャトル(2011年6月登場)
ホンダのコンパクトカーである「フィット」をベースに、車体後部を延長してステーションワゴンとしたのが「フィットシャトル」。シャトルといえば過去に「シビック」のステーションワゴン版に使われていた名前で、懐かしさを感じたユーザーもいたことだろう。
基本的なメカニズムはフィットと変わらないものとなっていたが、ステーションワゴンとなったことで搭載されるエンジンは1.5Lモデルのみとなった点や、3ペダルMTモデルが設定されなかった点などに違いがあった。
ポジション的には「エアウェイブ」の後継車種ということになり、エアウェイブに存在していたスカイルーフがフィットシャトルに採用されていたのも特徴だった。
トヨタ ヴィッツ(3代目 2010年12月登場)
「ヴィッツ」名義としては最終型となる3代目モデルも、すでに13年以上が経過している。この3代目モデルでもエントリーモデルの1Lとベーシックな1.3L、そして上級モデルの1.5Lと3種類のエンジンをラインアップしていた。
トランスミッションは先代型では4WDモデルのみ4速ATだったが、3代目では4WDも含めて全車CVTとなり燃費性能を向上。3ペダル仕様の5速MTはホットモデルのRSにのみ設定されている。
そして2011年9月にはスポーツコンバージョンモデルのG’sが新たに追加され、現在のGRモデルの布石となったのも記憶に新しいところだ。
スズキ スイフトスポーツ(3代目 2011年11月登場)
手ごろな価格のホットハッチとしてどの世代も人気の高い「スイフトスポーツ」は、チューニングやカスタムパーツも多くラインアップされており、若いユーザーだけでなく走りに特化したセカンドカーとして保有しているユーザーも多い1台だ。そんなスイフトスポーツの先代モデルである3代目も2024年で13年目を迎えることとなる。
3代目スイフトスポーツは熟成された1.6LのM16A型エンジンを搭載し、NAながら先代比+11psの136psを発生。さらにMTは先代の5速から6速に多段化を果たすなど、確実にポテンシャルを高めながらも10kgの軽量化を果たしていた。
三菱 RVR(3代目 2010年2月登場)
すでに2024年の春で生産を終了し、現在は在庫のみの販売となっている三菱のコンパクトクロスオーバーSUV、「RVR」も13年以上が経過した1台だ。すでに欧州ではルノー「キャプチャー」のOEMモデルが新型(現地名ASX)として販売されているが、日本では未だに現行車ということになる。
初代、2代目のスライドドアを備えたトールワゴンというキャラクターとは異なり、コンパクトクロスオーバーSUVとして生まれ変わった3代目モデルだが、良くも悪くも普通のクロスオーバーSUVとなってしまったことでコアなファンを獲得することは叶わなかったが、三菱の貴重なコンパクトクラスの車種として期せずしてロングセラーモデルとなった1台だ。
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このように、登場から13年が経過したモデルには、まだまだ現役で街中で見かける機会の多い車種も含まれている。このほか、2010年から2011年に登場した車種には初代「アクア」や「プリウスα」、「CR-Z」に初代「リーフ」なども存在しているが、これらのモデルはハイブリッド/電気自動車であるため、重課の対象にはならないのである。