ハーレー乗りたちにも親切なノリのいい警察官
ここで個人的な思い出をいくつか。ひとつ目は西から東へルート66を全線走破するべく走り出して4日後、手前のモハヴェ砂漠でレンタカーにタイヤ空気圧の警告灯が点灯した。ランフラットタイヤなので今すぐ走れなくなるわけじゃないが、次の街ニードルスで修理もしくは交換をしなきゃいけない。
すぐレンタカー会社に電話したところオペレーターがランフラットタイヤを分かっておらず、説明しても「いま空気が抜けていないならセンサーの故障だから気にするな」と繰り返す。らちが明かないので相手の名前を確認したうえ「明日は絶対に走れなくなるのでこちらで交換する。費用を立て替えて後で請求するけど大丈夫か」と聞けば、まったく信用していない様子で「OK!」と。
翌朝には案の定、フロント右のタイヤがペチャンコになっており、モーテルで近くのタイヤショップを紹介してもらいレッカー移動。ほら見ろと証拠の写真と領収書をレンタカー会社に送ったら、返却のとき丁重なお詫びと一緒に結構な割引までしてもらえた。
もうひとつはハーレーのオーナーたちに帯同して撮影したとき。宿をチェックアウトし駐車場で準備をしていると、若い警官が乗った定期巡回のパトカーがやって来た。フランクに「どこから来たの?」と話しかけられてテンションが上がり、パトカーに乗ってみたいとか一緒に写真を撮りたいなんてハーレーのオーナーたちが言い始める。ダメ元で聞いたらふたつ返事でOK。警官もノリノリでボディチェックまでやってもらい、皆さん大満足だった。日本じゃこうはいかないだろう。
思い出は尽きないがそろそろ進もう。次は3万5000平方キロメートルを超える広大なモハヴェ砂漠、地平線まで続くルート66をのんびり走りたい。
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