2024年のJEVRAに土屋圭市選手が参戦
2010年、まだ日本国内を走っているEVも少なく充電施設も十分ではない時代。三菱「i-MiEV」の一般個人向け販売がようやくスタートしたこの年に、JEVRA(全日本電気自動車グランプリ)シリーズがスタートしました。それから14年、この電動車両だけで行われるシリーズは、2024年シーズンも年間6戦で開催されています。その第2戦にはドリキンこと土屋圭市選手の姿がありました。
ドリキンがどんな走りをするのか会場は注目
JEVRAシリーズ2024年シーズン第2戦「全日本 筑波 EV55km レース大会」が、2024年4月27日(土)に筑波サーキットで開催された。今回は総レース距離55km(筑波サーキットのコース2000を27周する)で争われる。このレースに今回15チームが参戦することとなった。
チーム・タイサンをはじめとするこのシリーズ古参の面々に、今季立ち上げたばかりのチームまでじつにさまざまな顔ぶれである。車両もテスラ「モデル3」が最多参戦車両となるが、ほかにもテスラ「モデルS Plaid」、トヨタ「ミライ」、日産「ノートe-Power」など、ピュアなBEVだけでなく、さまざまな電動車両が参戦する。
そんななか、今回注目を浴びたのが、チーム・タイサンからエントリーしたドリキンこと土屋圭市選手である。ドリキンがどんな走りをするのか、会場中がその走りを見守る。ただし、乗車するのはテスラ モデル3である。昨シーズンのチャンピオンカーではあるが、日進月歩の進化が著しいEVの世界では、同じテスラのモデルS Plaidがすでに参戦をし、今シーズン開幕戦で優勝。第2戦には3台のモデルS Plaidが参戦することになり、超ハイパワー車を相手に「モデル3では太刀打ちできない」とモデル3で長年参戦してきた一部チームが撤退を表明するなど、ドリキンのモデル3がどこまで食い込むのか、事前の予想では戦力的には厳しいだろうと思われていた。
5台体制で臨むチーム・タイサン
JEVRAシリーズは、練習走行セッションのない、予選1本決勝1本のみで行われるワンデイレースとなる。それも充電の時間を確保するため、予選は午前中に開催し、たっぷり時間を取った夕方に決勝レースを行うというスケジュールとなっている。今回も予選終了から決勝スタートまで4時間以上の充電の時間が確保されている。
ちなみに、今回のチーム・タイサンでは、余郷 敦選手(No.100 TAISAN BOSCH TESLA S/テスラ モデルS Plaid)、地頭所 光選手(No.0 TAISAN BIR TESLA 3/テスラ モデル3)、密山祥吾選手(No.2 タイサン BIR TESLA3/テスラ モデル3)、久保凛太郎選手(No.10 TAISAN BIR ROADSTER/ テスラ ロードスター)に、土屋圭市選手(No.1 TAISAN BIR TESLA 3/テスラ モデル3)を加えた、すごい顔ぶれの5台体制となった。
その予選では、モデルS Plaidの2台、そしてJEVRAシリーズで4度のチャンピオンを決めEVスペシャリストともいえる地頭所選手のモデル3に続く4番手となる1分03秒123のタイムを出した土屋選手は、ブレーキの感触に「気持ち悪い」と、いろいろ納得がいかない様子。
そして続く決勝レースでは、スタートで「トラックモード」に入ってなかったためスタートすることができなかったポールポジションのNo.23 GULF RACING Plaidが大きく出遅れ、100号車のモデルS Plaidを先頭にチーム・タイサンの上位5台体制を構築。
追い上げを見せるポールポジションスタートの23号車に対し、土屋選手の前を走行していた2号車の密山選手がリタイア。そしてトップを行く100号車の余郷選手もフロントブレーキから白煙が上がり、ピットに戻り、そのままリタイアとなってしまう。
一方の土屋選手は順調に走行を重ね、23号車のモデルS Plaid、そしてチャンピオン経験者の駆るモデル3に続く同一ラップの3番手で走り続け、無事にチェッカーを受けた。レース後は笑いながらこうコメントしてくれた。
「ずっと右足をセーブしてて、こんなストレスのたまるレースはないね(笑)」