「カーライフ」だけでなく「マイライフ」そのものを変えてくれた
2L直4 DOHCの3S-GE型エンジンを搭載したSW20型MR2の最終型ベースは8台のみの生産であり、なおかつ「ベージュマイカメタリック」というボディカラーは、総生産台数92台の中でも1台のみの塗装色だという糸川さんの1998年式MRスパイダー。
「最終型の3S-GEエンジンはサージタンク容量もそれまでより拡大されていて、アクセルを開けた時に吸気音をダイレクトに感じるのはたまらない快感です」
取材の質問にもハキハキと的確に答えてくれた糸川さんであるが、もともとは、内気で人見知りな性格だったという。
「人との会話には苦手意識がありましたが、このクルマが来てくれたことで、他人と話す機会も増えたからか、自分も大きく変われた気がします。“カーライフ”だけでなく“マイライフ”そのものを変えてくれた、このクルマとの出会いそのものが、自分の世界を広げてくれました」
MRスパイダーを愛車としながら本職では次世代のカーライフを紡ぎ出していく
自動車に関わる仕事につきたいという幼少期からの夢が叶い、レーシングエンジンの設計に関わる仕事から、現在はより幅広く、クルマの企画から製造までに関係する業務に就いているという糸川さん。
「自分たちの世代がカーカルチャーの若手と言われていましたが、今回のイベントも10代、20代が作り上げていたというのが嬉しいですね。クルマはただ動けばいいやというのではなく、乗って楽しいんだよと、趣味、そして仕事を通じて、より多くの人に感じてもらいたいですね」
9年前の納車時には約4万kmだったという走行距離は現在14万kmを突破。MRスパイダーで存分に走りを楽しんでいる様子がうかがわれる。糸川さんが携わったクルマたちもきっとカーライフのパートナーとして、たくさんの人に愛されるのだろう。