アストンマーティン初となるレジデンスが完成
米国において、ニューヨーク以南で最も高さのある66階建ての最高級コンドミニアム「アストンマーティン・レジデンス・マイアミ」がフロリダ州マイアミに完成しました。391戸の超高級コンドミニアムの99%は完成前からすでに成約済みとなっています。ブランド初となるウルトラ・ラグジュアリーなレジデンスとはどのようなものなのでしょうか。
99%が完成前に成約済み
アストンマーティンは、2024年4月30日に米国フロリダ州マイアミでブランド初の超高級不動産プロジェクト、アストンマーティン・レジデンス・マイアミを完成させた。世界的に有名な不動産デベロッパーであるG&Gビジネスデベロップメンツ社とのパートナーシップにより、マイアミのダウンタウンに建設されたアストンマーティン・レジデンス・マイアミは、F1マイアミGPが開催される週にオープン。超高級ハイパフォーマンスブランドとしてのアストンマーティンの存在感を高めた。
ウォーターフロントに位置するこのプロジェクトは大きな注目を集め、391戸のコンドミニアムの99%が完成前に成約済みとなった。驚くことに、ホームオーナーのうち50世帯以上、じつに8人に1人がアストンマーティン車のオーナーであるという。
高く評価されているアストンマーティンのデザインチームと、ボダス・ミアン・アンガー(BMA)の世界有数の建築家ロドルフォ・ミアニ氏とのコラボレーションによって設計された船の帆型の建物で、ビスケーン湾、マイアミ川、ダイナミックな街といった息を呑むようなパノラマビューを提供する。
アストンマーティンのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマン氏は、次のように述べている。
「デザインとクラフツマンシップにおける我々の専門知識を、大規模プロジェクトに拡大できたことを嬉しく思う。このような事業は、私たちの創造的な経験と専門性をさらに成長させ、アストンマーティンを既存の顧客と将来の顧客の両方にアピールし、ブランドの新たな側面を拡大することを可能にする。私たちのデザイン言語は、美しさと素材の誠実さ、真正性に基づいている。アストンマーティン・レジデンス・マイアミは、最高の品質とクラフツマンシップを高く評価し、時代を超越した感覚を愛する人々のためのものです」
外観デザインはスポーツカーのラインから着想
このコンドミニアムのオーナーになると、総面積4万2275平方フィート(約3927平方メートル)に及ぶ52階から55階までの4フロアにまたがる「スカイアメニティ」でくつろぐことができ、そのすべてがガラスの階段で結ばれている。ここでは大西洋を望む2フロアのフィットネスセンター、アートギャラリー、2つの映画館、バーチャル・ゴルフ・シミュレーター、ビジネスセンターと会議室、キッズプレイルーム、フルサービスのスパ、美容室などが利用可能。55階には川と海が交わるビスケーン湾、大西洋、マイアミのきらめく街並みを一望できるインフィニティプールを備える。プールデッキ、ジャグジー、カバナを備えたこのフロアには、超豪華なスカイバーとラウンジ、最新鋭のシェフズキッチン、ボールルーム、プライベートダイニングエリアを設ける。
マレク・ライヒマン氏はこう付け加える。
「曲線的なガラスとスチールを使用し、ニューヨーク以南でもっとも高い66階建ての高層住宅であるこの建物の外観デザインは、アストンマーティンのスポーツカーのドラマチックなラインからインスパイアされたものである。デザインに対する私たちの哲学的アプローチは、つねに境界線を押し広げることである。つねに挑戦し、何かを十分だと受け入れることは決してない」
また7棟のペントハウスがあり、そのすべてにプライベートプールと広々としたテラスを備える。宝石のような「ユニーク・トリプレックス・ペントハウス」は、3階建ての壮麗なコンドミニアムで敷地の最上階に位置する。居住者は専用のスーパーヨットマリーナを経由して、海に直接アクセスすることもできる。ほかにも24時間365日オンコールで対応し、豪華な旅行のサポートやその他多くのサービスを提供することで、住宅管理におけるストレスを軽減する。
また、インテリアは3つのカスタムメイド・スタイルのコレクションから選択できる。「タイムレス」コレクションは、英国の超高級ブランドの伝統を土台として現代的なスタイルをつくりあげたもので、「コバート」コレクションはダークカラーのクルマのインテリアからインスピレーションを得ている。さらに贅沢な気分を味わいたい居住者は、天然素材を使用した「インダルジェント」コレクションをセレクトできる。
AMWノミカタ
最近、ウルトラ・ラグジュアリーブランドがレジデンスに進出しているというニュースをよく目にする。マイアミでは同じく英国ブランドのベントレー、ドバイにはブガッティがレジデンスを建設すると発表している。数十年前、とある高級英国車ブランドのデザイナーになぜ英国車にはウッドとレザーが多用されているのか聞いたことがある。
「自動車のインテリアはリビングの延長線上にある。あなたはプラスチックとビニールに囲まれて移動したいかい?」
と逆に質問された。なるほど、高級車とはそういうものかと当時は納得したものの、時代は変わり、いまや自動車のデザインコンセプトや素材、ブランド力が住宅やインテリアに応用されるようになった。自動車はこの数十年で性能もデザインも変化し、モダンでファッショナブルな自己表現のアイテムになった。住宅を含むその他のライフスタイルの中でもお気に入りのブランドの世界観に浸りたいという人がいても当然である。今回のレジデンスはそんな人たちのものであると考えるが、なによりも391戸を完成前にほぼ完売したアストンマーティンのブランド力に驚かされる。