純正が2ピース構造のところ1ピースにすることで価格を抑える
2ピースローターを純正採用している「GRヤリス」。もちろんそこまでの性能が必要と言うのであれば、純正ローターを使うことをオススメしますが、ストリートや、ときどきサーキットぐらいの人であれば、純正ローターほどの性能が必要か疑問です。そもそも2ピース構造と言いながら、部分的な交換はできないし、何しろ高額です。そんなGRヤリスオーナーにとって悩ましい問題を解決してくれるブレーキシステムを紹介しましょう。
(初出:GR YARIS magazine Vol.02)
走行距離が多い人はランニングコストを抑えておきたい
GRヤリスは純正で容量の大きいキャリパーとローターを装備している。純正ブレーキでも十分な性能を発揮するが、純正ローターが高価なため、スポーツ走行を楽しむユーザーにとってはランニングコストが気になるところ。2ピース構造だが、アフターパーツと異なりディスク部とベルハウジング部が非分解指定となっている。そのためディスクを新しくするには、Assy部品でローターを丸ごと交換するしかないのだ。
純正代替ローターとして十分なスペック
そうした難点を解決するアイテムとなるのが、プロジェクトμのSCR T020ローターである。1ピース構造とすることで価格がほぼ半値に抑えられているが、性能は申し分なし。むしろ材質のこだわりやディスク部の厚みとベンチレーテッド部分のサイズのバランス調整により、純正よりも耐熱性や耐摩耗性に優れているという。フロントφ356×28mm、リアφ297×18mmで、価格はフロント7万7000円/リア5万5000円(消費税込)となる。カラーは、グリーンとブラックを設定する。
その高性能はサーキットでも実証された
実際、奈良県の老舗ショップであるKansaiサービスが鈴鹿サーキットでテストしたが、ブレーキ性能は問題なし。フィーリングは純正ローターよりも良くなった印象を受けたとのことだ。また、1ピース構造のローターは、2ピース構造のローターと比較して重量が重くなるのだが、プロジェクトμのローターは重量にもこだわり、純正よりもわずかに重くなる程度に抑えられている。
ブレーキとしての性能良し、コストパフォーマンス良し、スポーツ走行も楽しむGRヤリスオーナーにとって、注目のアイテムと言っていいだろう。もちろん街乗りユースのユーザーにとっても、コスパに優れている点は魅力的。純正ローターの代替品として、有力候補に挙がるアイテムだ。
走りにこだわるオーナー向けのブレーキパッドもラインアップ
そしてプロジェクトμでは、走りにこだわるオーナーにオススメしたいブレーキパッドもラインアップ。ここでは、2種類をピックアップしよう。先にリリースされたHC+R3(フロント:2万7500円、リア:2万7500円 ※消費税込)は、初期制動をマイルドにしつつ奥でのコントロール性に特化した特性を持つ。それによりブレーキを踏んだ瞬間にABSが作動してしまうこともなく、サーキット走行時に踏力でブレーキをコントロールすることが可能だ。ブレーキのコントロール性を求めるユーザーにジャストマッチなブレーキパッドと言えるだろう。
もうひとつのHC M1(フロント:2万7500円、リア:2万7500円 ※消費税込)は、ブレーキのコントロール性はもちろんだが初期制動も少しは欲しいというユーザーに向けた特性を持つ。相反する特性ではあるが、初期制動の強さとコントロール性を高次元でバランス。対フェード性にも優れ、例えばブレーキに厳しい本庄サーキットでも安心して周回を重ねられる。街乗りとの両立派にもピッタリのパッドだ。