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まるで三菱「ギャランGTO」のような「ミニカスキッパー」は360cc!「パーツはストックしてずっと維持していきます」

三菱 ミニカスキッパー:丸目4灯のグリルは、じつは外側2灯がヘッドライト、内側2灯はフォグランプとなっている

まるでギャランGTOの弟分

大阪の築港赤レンガ倉庫横広場で開催された「360だョ!全員集合 in OSAKA」には、数多くの360cc軽自動車が集結しました。そんな会場で見かけた気になる1台にフォーカス。今回は小さなスポーツクーペ、三菱「ミニカスキッパー」を紹介します。まるで「ギャランGTO」をコンパクトにしたようなクルマは短命に終わった名車でした。

ファストバックスタイルの隠れた名車

2024年3月24日に大阪港湾部の築港赤レンガ倉庫脇にある広場で開催された「360だョ!全員集合 in OSAKA」の会場で発見したのは、まるで「ギャランGTO」をギュッとコンパクトにしたようなスタイリッシュなクーペボディだ。オーナーの塩崎さんにお話を伺うと、この車両は1973年式の「ミニカスキッパーIV」という車両とのこと。

ミニカスキッパーは、「ミニカ70」のクーペ版として1971年に2ストローク2気筒エンジンを搭載して登場する。折しも「ホンダZ」やスズキ「フロントクーペ」などのスポーティな360ccが群雄割拠する時代で、若い世代を中心に人気となった。

ちなみにミニカスキッパーは、1972年のモデルチェンジで4ストロークエンジンを搭載し、ミニカスキッパーIVという車名となるが、事実上のパワーダウンとなったこともあり、1974年に生産中止してしまう。

時代を先取りした凝ったボディデザイン

ボディは前述の通り、ギャランGTOを彷彿させるファストバッククーペで、後部は当時の流行でもあったカムテールスタイル(ボディ後端を切り落としたような断面が特徴のスタイル)となっている。クーペゆえにハッチゲートは備わらないが、リアウインドウが開閉するガラスハッチを採用し、リアシート後部のラゲッジスペースにアクセスできる仕組みとなっている。

フロントフェイスはギャランGTOのような丸目4灯のグリルを持つが、じつは外側2灯がヘッドライト、内側2灯はフォグランプとなっている。リアウインドウの下には死角をカバーするためのスクープドウインドウを備えているのが大きな特徴。この窓は後にホンダ「CR-X」や「インサイト」、「プリウス」などに採用されることとなるが、じつはこのミニカスキッパーが日本で初めて採用したそうだ。

長年維持する秘訣はパーツ収集とメカの腕

塩崎さんは、そんな1973年式をなんと42年間も所有し続けているという。ちなみにホイールを社外品に交換し、フェンダーミラーをナポレオンGTに変更している他は基本的にストック状態をキープしている。

「この車両は新車当時から和歌山県にあったので、ナンバープレートは新車時に払い出されたもののままなんです。360ccプレートで新車当時のナンバーが残っているのは珍しいと思います」

お仕事がメカニックという塩崎さんは流用パーツなどに関する知識も豊富で、エンジンや足まわりのパーツは比較的揃えることができ、修理も自身で行っているという。またボディパーツに関しては個人的に必要なものを予防的にストックすることで、将来も維持できる体制を整えているそうだ。

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