エンジンは急遽調達中
神子選手は、長年「サムライスピード」のプロデューサーとしてパイクスピークへの挑戦に携わってきている。これまで「サムライスピード」では、奴田原文雄選手および大井貴之選手を起用して挑戦を続けてきたわけだが、今回は神子選手自身が33年ぶり3度目の挑戦をすることとなった。その相棒に選んだのが、1991年及び1992年にパイクスピークに参戦した日産パルサーGTI-Rである。
もちろん、当時の個体はすでに無くなっており、今回の参戦に向け、新たに1991年式日産パルサーGTI-Rを入手。しかし手元にやってきた車両は、「Squirrel nest(リスの巣)と呼びたい」というほど車両の各所からクルミが出てきたという。保管場所が森の近くだったのが原因のようだ。
それでもボディ側は順調にロールケージや安全タンクのインストールなどの作業が進んでいたが、エンジンは開けてみたらとても使えるものではないということが発覚。新たなエンジンを探し出し、現在その新たなSR20DET型エンジンを調達中だという。5月中には車両をアメリカに送り、現地でカラーリングなどを施して、パイクスピークの「パイクスピーク・オープン」クラスに臨むとしている。
今回のパイクスピークには、最速記録を持つロマン・デュマがフォード「F150」のEVで参戦する。ほかにもヒョンデからは、山の男として4年連続で最速タイムを記録している2023年の覇者ロビン・シュート。3度の「山の男」として殿堂入りを果たし、今回がパイクスピークへ30回目の挑戦となるポール・ダレンバックも参加予定だ。さらに、WRCにヒョンデから参戦しているダニ・ソルドも加えて参戦するなど、ニュースが盛りだくさんである。
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム第102回大会の公式スケジュールは、2024年6月17日(月)に公開車検、18日(火)から4日間の練習走行および予選セッションが行われ、21日(金)の夕方にはファンフェスタが開催される。そして休息日を挟み、23日(日)現地時間朝7時半からパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの決勝がスタートする。