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マクラーレン「750Sスパイダー」を関西まで長距離テスト! サーキットが真骨頂のクルマが提案する日常の楽しみ方とは

マクラーレン「750Sスパイダー」を関西まで長距離テスト! サーキットが真骨頂のクルマが提案する日常の楽しみ方とは

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TEXT: 西川 淳(NISHIKAWA Jun)  PHOTO: McLaren Automotive/iconic

エキゾーストサウンドが耳に心地よい

高速道路に入る。料金所からの軽いダッシュが胸をすく。余裕のトルクが軽量な車体をまるで波に乗せるようにして沖(=前)へと押し出していく。もっともそこはウォーキング製スーパーカーなら初代の「12C」から共通する魅力で、第2世代スーパーシリーズの後期モデルが圧倒的に従来のモデル群を上回っているのは、エキゾーストサウンドが耳に心地よいことだった。

高速クルージングの安定感もまた心なしか向上したように思う。エアロダイナミクスをさらに煮詰めたことはもちろん、足まわりの改良に合わせて制御もいっそうきめ細やかになったことが効いている。本当に安楽なグランドツーリングカーである。

そして、高速走行中の魅力といえばやはり、劇的な追い越し加速だった。これもまたマクラーレンの得意とするところで、パシーンと鞭打たれた馬のようなレスポンスと、どこまでも持続しそうな加速フィールは、このパッケージでないと味わえない。加えて、ドライバーの腰とリアセクションとの一体感が一層綿密で、ドライバーごと綺麗に移動できるという感覚が常にある。だから心地よいし、疲れないのだ。

クローズドコースで堪能した制動力も、公道ではペダル半分の踏みで十二分に手応えがあり、コントロールもしやすい。プロ対応レベルの高性能を扱いやすく民主化して搭載する手腕という点でマクラーレンは今、もっとも先に進んでいるブランドのひとつだといっていいだろう。

筆者がもっとも感動したのは、だらだらとした流れのなかにあっても750Sは恐ろしく従順で、しかもドライバーの気持ちを穏やかに保つことができるという点だった。妙に急かさないというか、進みの遅さによる苛立ちを抑えてくれるというか、とにかく“同志感”が半端ない。これもまた車体との一体感の生み出すマジックだろう。否、英国車にはよくある“落ち着き”とでも言おうか。

もちろん、このクルマの真骨頂はサーキットにあり、スポーツ走行にある。けれども日常的にそんなことをいつも味わってはいられない。アクセルもブレーキもせいぜい“5分の1”という移動生活が大半だ。そんな状況にあっても、マシンとの一体感を通じてドライバーを気持ちよくさせてくれる。スーパーカーの新たな楽しみを提案するという点でも、今乗っておくべき1台だと思う。

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