強者ぞろいのロータス カップ ジャパンに20代ライターが参加してみた
2023年に富士スピードウェイで開催されたロードスターカップで公式レースデビューを果たした筆者。その様子を見たロータスの正規インポーターLCIの方から「ロータス カップ ジャパンに出てみませんか?」と声をかけてもらいました。とても嬉しいお誘いだったので、ふたつ返事で快諾。ただ、レースで使うロータス「エリーゼ」を全開走行させるのは初めての経験です。はたしてこのマシンと仲良くなることはできたのでしょうか。
英国ライトウェイトスポーツの雄、ロータスだけのレース
ロータス カップ ジャパンはナンバー付きの「エリーゼ」や「エキシージ」などロータス車だけで争われるレースで、クラスは2つに分かれている。簡単にクラスを紹介すると、3.5L V6スーパーチャージャーエンジンを搭載するエキシージで争われる「クラス1」、1.8L 直列4気筒エンジンを搭載する歴代エリーゼ/エキシージで争われる「クラス2」の2つだ。
今回筆者はクラス2にエントリー。1.8Lエンジンにスーパーチャージャーが組み合わされ、220psを発生する「エリーゼ スポーツ220」で戦う。タイヤはヨコハマタイヤのアドバンA052のワンメイクだ。
チューニングも許されているが、レギュレーション上あくまでもライトチューニングに制限されている。ロールバーや牽引フックなど安全に関わるポイントは指定部品で共通となっているほか、ブレーキパッドも共通となっている。今回筆者が乗ったエリーゼスポーツ220は、サスペンションとLSDが追加され、ほかにブレーキ、タイヤ、シートと、「市販車でサーキットを走るならここは変えておきたい」と思うポイントが変更されている仕様となっている。
今回2024年4月14日(日)の富士スピードウェイラウンドでは、第1戦と第2戦の2レース制で、2レース目のグリッドは1レース目のリザルトで決まる。まずは4月13日(土)に練習走行を行った。
エリーゼの走りはロードスターとどう違う?
これまでロータス カップ ジャパンにはモータージャーナリストの先輩方も参戦してきた。桂 伸一さん(今回はクラス1に出場)や橋本洋平さんなどが参戦しており、レース経験が豊富でドライビングに精通している人たちばかりだ。しかもそんな先輩方はこのレースで勝利を収めている。そんな先輩方の戦績を考えると、普段自動車メディアで情報発信している身としてはプレッシャーがかかる。先輩方と同じように優勝とはいかなくとも、恥ずかしくない走りはしておきたいところだ。
事前にデータロガーや車載映像を見て予習はしてきた。意外な発見としては、自身が出ているロードスターカップとブレーキングポイントがほぼ同じということであった。そのイメージを描きながらいざ練習走行へコースイン。
初めてサーキットで全開にしたエリーゼ スポーツ220は、リアタイヤにもっと敏感になる必要があると感じた。ミッドシップらしくリアが流れ始めるとその動きは速く、タイムをロスしてしまう雰囲気だ。わずかなスライドを感じて細かくカウンターを当てることで、とにかくタイヤを縦に使う時間を長くした方が速く走れそうだ。
また、乗り方のイメージとしてはコーナリング速度を高めて走るクルマではないと感じた。車速を落としてもいいから、できるだけ短い時間で向きを変えて立ち上がりのアクセルオンのタイミングを早める。他のクルマでもセオリーとなる走り方だが、そのような乗り方をより強く意識すべきクルマであった。ミッドシップ特有の蹴り出しのトラクションを活かすイメージだ。
そんなことを思いながら終えた練習走行、ベストタイムは2分0秒8。少しずつクルマと仲良くなれたかな? とは思ったが、じつはこのタイムは参加者の中でも一番遅いタイムで、クラス2参加の5台中5番手だ。聞くところによると、今回の富士ラウンドは優勝経験者やチャンピオン経験者などの強者たちが集まってしまったらしい。同じクラス2で同じ仕様のマシンを駆るジャーナリストの先輩・佐藤久美さんは練習走行の段階で2分を切っている。流石だ。「これじゃマズいよ!」と思いながら、ロガーで自身の走りと先輩方のデータを比べて予選への改善ポイントを探った。