ロータスがオリンピック用トラックバイクを発表
ロータスエンジニアリングは、レニショー、ホープテクノロジーとのコラボレーションを継続して製造することになった、2024年パリオリンピック英国チーム用トラックバイクを発表しました。すべてのパーツはマシンとアスリートを完璧に一体化させ、ライダーと一体となって機能するように設計されています。
東京オリンピックの英国チームの成功を再現
英国の自転車競技団体であるブリティッシュサイクリングは、ロータスエンジニアリング、レニショー、ホープテクノロジーとのコラボレーションを継続した、新しいオリンピック用トラックバイクを発表した。
ホープ・ロータスは、2024年のパリオリンピックに向けて、スポーツパフォーマンスの限界を押し広げるために綿密に設計され、最適化された。7個のメダルを獲得し、種目別メダルランキングのトップに立った東京オリンピックの英国チームの成功が、パリオリンピックにおいて再現されることを期待している。
ロータスエンジニアリングは、エアロダイナミクス、先進素材、軽量化、エンジニアリング・イノベーションの強みを活かし、このバイクのコックピット開発に貢献した。チームは、このバイクのユニークなフロントフォークのデザインとハンドルバーを製作し、フレームを制作するホープテクノロジーと協力してこれらのコンポーネントを全体的なパッケージに統合した。
戦闘機のデザインにインスパイアされたフォークは、ライダーの周りの空気の流れをスムーズにする新しいセレーションエッジを備えている。カスタマイズ可能なハンドルバーは、ライダーが長時間のレースでより効率的なエアロポジションを取れるようサポートする。
コンポジットフォークは、ロータス「エヴァイヤ」と同じハイグレード・カーボンファイバーとシングルキュア製法で作られており、その軽さが特徴である。
自動車開発で培った技術と知識を反映
ロータスのチーフ・エアロダイナミシストであるリチャード・ヒルは、1990年代に「ロータス108オリンピック・トラックバイク」と「110ツール・ド・フランス・バイク」のデザインを担当し、東京オリンピック・トラックバイク、そして今回の2024年「ホープ・ロータス・オリンピック・トラックバイク」でも重要な役割を果たしている。
リチャード・ヒルはこう語る。
「ナショナルチームをサポートする最も効率的で美しいバイクを製造するために、比類のないエンジニアリングの専門知識を提供し続けることを誇りに思う」
ロータス・エンジニアリングのコマーシャル・ディレクターであるマーク・ストリンガーは、次のように語った。
「ホープ・ロータスのバイクは、75年以上にわたる自動車開発で培った技術と知識を、他の産業に応用する我々の能力を完璧に証明している。次のオリンピックでの英国チームの健闘を祈る」
ロータスは、プロジェクトを通常より短い3年というオリンピックサイクルに凝縮するために、開発、テスト、製造のあらゆる段階ですべてのパートナーと綿密に協力してきた。
AMWノミカタ
ロータスのトラックレース用の自転車開発は1990年まで遡る。1992年のバルセロナオリンピックで「タイプ108」が英国のクリス・ボードマン選手による4km個人追い抜き決勝で金メダルを獲得している。驚きなのは同選手が1994年のツールドフランスのタイムトライアルでもステージ優勝を果たしていることである。それほどまでにロータスエンジニアリングの作るバイクは軽量で空気抵抗に優れていたのだろう。
リチャード・ヒル氏の「ナショナルチームをサポートする最も効率的で美しいバイクを作る」という言葉が印象的だ。機能を追求するとそこに「美」が生まれる。ロータスの作るバイクはかつての「タイプ108」にしても「タイプ110」にしても、最近発表された最新のeバイク「タイプ136」も時代を超越して美しい。かつてのレースカーであるロータス「11」や「23」で見られたロータス流のあの美しさと先進性が現代の車にもバイクにも継承されているように思える。