往年のAuto Romanが継続していたら取り扱っていたかも?
こうして現代に復活したAuto Romanは、オートモビルカウンシルでも常連。いつも超希少かつ魅力的なスーパーカーやレーシングカー、あるいはクラシックカーを出品するのだが、今回幕張メッセに持ち込まれたのはBMW E24系「6シリーズ」をベースとするスペシャルな2台と、グループA時代の怪物メルセデスだった。
まず、このブースを訪れるギャラリーの注目をもっとも集めていたのは、往年のAuto Romanを象徴するアルピナ。白いボディに矢絣(やがすり)模様のストライプの入ったBMWアルピナ「B9-3.5クーペ」である。1985年式ということで、すでに「ニコル・オートモビルズ」が日本総代理店となってから輸入された、いわゆる「ニコルもの」ながら、やはりアルピナには「Auto Roman」のロゴもよく似合う。そんなエンスー心をくすぐるような想いのもとに出品されたB9-3.5クーペについては、リアウインドウに貼られた小さなステッカーに気づき、写真を撮る観衆もたくさんいたようだ。
また、創成期の「BMW M」が開発したE24系6シリーズの最高性能版「M6」、しかも日本の「アイディング(IDING)」のチューンを施したコンプリート車両も隣に並べられ、こちらも人気を博していた。
そしてもう1台は、グループA時代の最終期にメルセデス・ベンツが送り出したホモロゲートスペシャル「190E 2.5-16エヴォリューションII」である。これまで諸井さんとAuto Romanでは、量産モデルの「190E 2.5-16」をベースとして独自のチューニングとモディファイを施した「エヴォリューション」および「エヴォリューションII」の高度なレプリカ車も製作してきた実績があるものの、今回の出品車は1991~1992年にわずか500台が限定生産されたという、オリジナルのエヴォIIだった。
3台ともに、往年のAuto Romanが継続していたらきっと扱っていたに違いないモデルばかり。現在に復活したAuto Romanの見識を、今いちど実感させてくれるようなブースだったのである。