激レア中の激レアモデルのライフピックアップ
総生産台数が1000台ちょっとと言われている、激レア中の激レアモデルを発見しました。それが、なぜか大きな軽自動車ナンバーを装着したホンダ「ライフピックアップ」です。1974年に生産終了したライフピックアップは大きな軽ナンバーがつけられる以前のクルマ。本来装着していないはずの大きな軽ナンバーなのはなぜなのか、その理由を探ってみました。
後部を荷台にしたステップバンの派生モデル
大阪港湾部の築港赤レンガ倉庫脇にある広場で開催された「360だョ!全員集合 in OSAKA」会場で発見したのは、生産台数も少ない希少車、ホンダ「ライフピックアップ」だ。
ライフピックアップは、1972年に登場した「ライフステップバン」をベースに後部を荷台としたピックアップタイプの派生モデルで、翌1973年に登場した。すでにホンダには「TN」シリーズという軽トラックが存在していたが、こちらはベースのステップバンがFFなので、荷台を低く、フラットにでき、荷物の積み下ろしが楽というメリットがあった。そのため都市部など狭い場所での小口デリバリー需要増加に合わせて開発されたと言われている。ところがセミボンネットタイプのステップバンをベースとしたことで、荷台が狭く積載量も軽トラックに及ばなかったことから販売はあまり振るわなかった。
オーナーはこのレアモデルばかり2台連続で乗り続けるツワモノ
オーナーの池田さんは、以前にも別のライフピックアップに乗っていたそうだが、より状態の良いこの個体と出会い、今から8年ほど前に入手したそうだ。
じつはホンダは1975年1月からの軽自動車の規格改正に合わせて1974年にTNシリーズを残して軽自動車市場から一時撤退してしまうため、ライフピックアップはたった2年で生産を終了してしまう。総生産台数も1000台ちょっとと言われており、激レア中の激レアモデルだ。
そんなライフピックアップを2台乗り継いだ経験を持つ池田さん自身もかなり珍しいと言えるだろう。そしてもうひとつ、このライフピックアップには珍しい歴史があることを池田さんから教えてもらった。
生産終了後も登録されずにいたため大きなナンバーがつくことに
「このクルマ、大きな軽ナンバーが付いているでしょ? 大きな軽ナンバーは1975年1月からスタートするので、1974年に生産終了したライフピックアップには本来つかないものなんですよ」
話を聞くと、おそらくどこかのショールームで登録されないまま眠っていた過去があるようで、初年度登録も1976年、つまり生産終了から2年間も登録されずにいたということになるのだ。状態が良かったのもこの休眠期間が関係しているのかもしれない。
そんな状態の良いボディは、「NSX」のパールホワイトでペイントされ、ハヤシレーシングアルミホイールを装着している。そのほかダッシュパネルを木目調にしたり、センターメーターをホワイトフェイスに変更したりと、カスタムを楽しんでいる。