チューニングエンジン+5速マニュアルで通勤を愉しむ
ホンダ「ライフ」の派生モデルである「ライフライトバン」。じつはこのライトバンモデルは、生産台数が非常に少なく、希少車となっています。そんなライフライトバンを通勤に使っているというオーナーは、ほかにも数台のホンダ360ccを所有しているそうです。なんとも贅沢な旧車ライフとはどのようなものなのでしょうか。
ライフ派生の激レアなライトバンモデル
大阪港湾部の築港赤レンガ倉庫脇にある広場で開催された「360だョ!全員集合 in OSAKA」会場で発見したのは、ホンダ「ライフ」をベースに後部を拡大したバンタイプの派生車種、「ライフライトバン」だ。
1971年に登場したホンダ ライフは、「N360」の後継モデルで、エンジンもN360の空冷4ストローク2気筒エンジンを水冷化して搭載している。当初のボディバリエーションは、2ドアと4ドアのファストバックセダンの2種類。この4ドアセダンは、ホンダ初の4ドア車でもあるそうだ。セダンの登場から数カ月ほど遅れて後部を延長し、ハッチゲートを備えたライトバンとワゴンを追加する。ところが翌年にはトールワゴン型の派生モデル「ステップバン」が登場してしまうため、とくにバンの生産台数は相当少ないと言われている。
中身はツインキャブ+5速MTの希少モデルなのに通勤快速
オーナーの角田さんがこの1973年式のライフライトバンを手に入れたのは、今から3年ほど前のこと。激レアモデルながらボディや内装は想像以上に程度が良かったという。そのため他にも「Z」や「ライフピックアップ」など数台のホンダ360ccを所有している角田さんだが、このライフライトバンを通勤に使っているというから、なんとも贅沢! そして通勤にこの個体を選んだ理由はもうひとつ。
「じつは5速マニュアルがスワップされていたので、エンジンもチューニングエンジンに載せ替えて、ツインキャブにしました。だから想像以上にキビキビ走るんです。通勤でも快適ですよ」
こうして毎日この超貴重なライフライトバンで通勤しているという。じつは毎日使っているがゆえに常に良い状態をキープできているという側面もあるそうだ。
リアまわりのパーツ供給は絶望的…でも乗るのが楽しい!
フロントまわりやエンジン、足まわりなどはライフなので、パーツの流用が可能だが、リアまわりのボディパーツは基本、絶望的だと角田さんは言う。リアゲート自体やリア3面のガラスなどはもちろん、通常のライフとはテールランプやリフレクターも違うため、パーツの心配は常にしているそうだ。
ちなみに角田さんはこの通勤快速をそのまま乗るのではなく、車高を若干下げ、ボルクメッシュアルミを装着。さらにステアリングも社外品に交換してカスタムも楽しんでいる。じつはリアシートを倒せばラゲッジスペースはかなり広いので、荷物もしっかりと積めるのだとか。レア車だからと乗らないのではなく、しっかり使い倒すことで、この希少車との旧車ライフを楽しんでいるそうだ。