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50年ぶりに新車をつくった英国「アルヴィス」とは? 7200万円の本邦初公開されたコンティニエーションモデルを紹介します

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

各モデルをオーダーメイドでハンドメイド限定生産

まずはアルヴィスのコンティニュエーションモデルのうち、「3L グラバー スーパー クーペ」(2022年式、6600万円/消費税込)から、その魅力を説明しよう。アルヴィスの最終型式となったTF21は全部で106台ほど生産されたが、その内の6台はスイスのコーチビルダーであるグラバー社が架装していた。

今回コンティニュエーションに際してアルヴィスは、同社が所有する1966年式のTF21グラバー スーパー クーペから必要となるボディを3Dスキャンして木型を造り、 当時と同様の工法で製造している。TF21の中で最も洗練された美しいデザインとされるグラバー製ボディは、車高の低さと傾斜したAピラーを備えたスタイリッシュかつスポーティなもので、オールアルミニウム製による軽量化が図られ、素晴らしい加速と優れたハンドリングを有している。

さらに往時よりも安全かつ快適なドライビングをユーザーに提供するため、電子制御式燃料噴射装置をはじめ、ラック&ピニオン方式のパワーステアリング、4輪ディスクブレーキ、5速トランスミッションを採用。冷暖房切り替え可能な日本独自仕様エアコン、パワーウインドウ、Bluetooth機能付きのレトロスタイルオーディオなども特別装備として設定している。

次に、今回初公開された「3L グラバー スーパー カブリオレ」のコンティニュエーションモデル(2024年式、7200万円/消費税込)は、4月上旬にイギリスから到着したばかりという新車。ルーフ開放時にハンドメイドらしい造り込みの素晴らしさと個性が際立つモデルで、前述の3L グラバー スーパー クーペと同じようにTF21の継承モデルとなる。快適さや利便性を失うことなく人目を引くオープンスポーツカーが欲しいという要求に応えられる。各種快適装備もグラバー スーパー クーペと同様だ。

最後に、4年前に上陸した日本第1号車の4.3L コンティニュエーションモデル ヴァンデン プラ ツアラー(2020年式、6380万円/消費税込)は、このモデルは当時のコーチビルダーであるヴァンデン プラ社が架装していたので、コンティニュエーションにあたり、アルヴィスはボディワークをデータ化する必要があった。そこで同社が所有する1937年式ヴァンデン プラ ツアラーから必要となる部分を3Dスキャンしてデータ化し、当時と同様の工法で生産している。

エンジンに関しては、1936年に設計された当時のオリジナル図面を使用し、現代の精度および品質で4.3Lエンジンを組み上げている。エンジンマネジメントシステムや操作、制動系統などは現代的なメカニズムを採用。シャシーナンバーは1937年に英国で150台分の認証を受けたときから未使用となっている77台分の番号を使用している。

* * *

現在、アルヴィス社では、ユーザーの要望に応じたオーダーメイドで各モデルをハンドメイドで限定生産しているので、クラシックな香り漂うイギリス社を「新車で」安心して楽しみたいという方は、世界に1台だけのアルヴィスを注文してみるといいだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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