目指すは中身を快適にアップデートした、まるで新車のようなステップバン
360ccのクラシカルな軽自動車がたくさん集まったイベント会場で、最も台数の多い一大勢力となっていたのがホンダ「ライフ ステップバン」でした。そのなかでも、美しくレストアされた、まるで新車のような綺麗なボディが目立っていた1台を紹介します。
数あるステップバンの中でもボディの美しさが際立つ1台
大阪の築港赤レンガ倉庫脇にある広場で開催された「360だョ!全員集合 in OSAKA」会場で発見したのは、美しくレストアされたホンダ「ライフ ステップバン」だ。
ホンダ「ライフ」のコンポーネンツを流用し、背の高いボンネットバンタイプのボディを載せて1972年に登場した派生車種、ライフ ステップバン。今でこそ当たり前となった軽トールワゴンを、今から50年も前に販売していたのだ。FFであるライフをベースとしたことで、当時としては例のないフロアの低さで、デリバリー用途や荷物を積んで走り回る営業車としても活躍した一方で、今で言うレジャービークル的な使い方もされた万能車だった。
現在はようやくボディが完成した段階。快適化プロジェクトはまだまだ続く
オーナーの吉岡さんは、今から半年前にこの1974年式ステップバン・スーパーデラックスを入手し、ほとんど乗らずにレストア作業をスタート。今回のイベント直前にボディまわりが完成し、ギリギリでイベントデビューを飾ったそうだ。
「見た目はオリジナルで、快適に走るクルマを目指しました。まだ全てが終わったわけではないんですが、ようやくボディと内装が仕上がった、という感じですね」
ボディはしっかりとレストアしたうえでホワイトでペイント。内装は真っ赤な生地でシートを張り替え、ドアパネルは腐食していたベースから再生して蘇らせた。そのうえで、ホンダ「Z」用を流用したウッドステアリングを装着したり、ラジオにbluetoothを追加することでスマホの音楽を楽しめるようにしたりと、快適化のためのカスタマイズを並行して行っている。さらに純正エアコンを装着するなど、派手ではないが、快適に乗れるアイデア満載のインテリアとなっている。
パワーアップしたエンジンに合わせ今後は5速MTに載せ替え予定
足まわりは車高を若干下げて、Zのスチールホイールにトリムリングと内装と同じ赤いセンターキャップを装着している。そして極め付けがエンジンだ。オーバーサイズピストンを使った400ccエンジンが搭載されているのだ。これも快適ドライブのためだという。
ようやく車両が完成したので、ここからは細部を詰めていく作業が山積み。まずはパワーアップしたエンジンに合わせて5速トランスミッションへ換装し、クーラーも吹き出し口はそのままに電動エアコンの導入を計画しているそうだ。内装もまだヘッドライナーの装着などやり残した作業があり、完成に向けてもうひと頑張り、といったところだ。
完成すればまるで新車のような車体に、純正より快適な装備満載の1台となるはず。近い将来の完成が楽しみだ。