世界中のロールス・ロイス養蜂場の活動
グッドウッド養蜂場の成功に続き、この活動は世界の他の地域でも拡大している。それぞれ各地域の養蜂場を見ていこう。
ドバイ養蜂場
ドバイ養蜂場は、2021年「世界ミツバチの日」にロールス・ロイス・ミドルイースト&アフリカとロールス・ロイス・ドバイによって設立された。グッドウッド養蜂場と同様に6つの養蜂箱を持つが、この地域の高温に耐えられるように特別に設計・製造されている。ミツバチは現地環境に適応した在来のアラビアミツバチから繁殖されている。
ドバイ養蜂場には、6万匹のアラビアミツバチが住んでいるだけでなく、他の花粉媒介者の避難所でもあり、重要な教育拠点でもある。2023年以降、この養蜂場では生物多様性、健全な生態系、食料安全保障を維持するための花粉媒介者の重要性を探るワークショップを開催し、国内の学校や大学の学生にインスピレーションを与えている。
南アフリカ養蜂場
2023年にグルートボス財団との提携によりヨハネスブルグに開設された養蜂場は、中東・アフリカ地域で2番目の取り組みとなる。6つの養蜂箱は、3500ヘクタールの私有自然保護区に設置されたが、この保護区には900以上の植物種、118の鳥類、29の哺乳類、21の両生類が生息している。
2つの養蜂場を追加
「世界ミツバチの日」を前に、ロールス・ロイスは新たにオマーンとバーレーンに2つの養蜂場を追加することを発表した。オマーン地域全体での花粉媒介者保護活動の一環として、標高2000mに位置するアリラ・ジャバル・アフダル・リゾートに4つの新しい養蜂箱を設置する。また、バーレーンの首都・マナーマから20分の距離にあるロイヤルゴルフクラブの緑豊かな敷地内に4つの養蜂箱を設置する。
AMWノミカタ
ラグジュアリーブランドと養蜂の組み合わせは、もはや珍しいものではなくなってきた。ロールス・ロイスのほかにもジャガーやベントレー、ランボルギーニなども養蜂活動を積極的に行っている。ミツバチは受粉媒介者として生息範囲の植物の成長に貢献するだけではなく、ミツバチそのものや養蜂箱、蜜蝋を調べることで、彼らが生息する限られた範囲内で使用されている農薬、重金属、芳香族化合物、ダイオキシンなどの環境汚染物質を調査することができるという。
つまりミツバチは、おいしいハチミツを作るだけでなく環境検査員の役割も果たしている。ロールス・ロイスの素晴らしい点は、この活動をグッドウッドだけにとどまらず世界に展開している点であろう。ロールス・ロイスのハチミツは「ハチミツ界のロールス・ロイス」となりうるのだろうか。