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テスラ「モデルS Plaid」の尋常ではない速さの秘密とは? 全日本電気自動車グランプリでの劇的優勝をレポートします

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

  • No.100 TAISAN BOSCH TESLA S (余郷 敦選手) 予選:2位(1'01.308)/決勝:リタイア
  • No.73 HIGHSPEED Etoile R (前田琴未選手) 予選:12位(1'12.903)/決勝:9位
  • 性能調整を行っているわけではないので、必ず強いクルマが勝つ、というJEVRAシリーズ。そのためつねに時代時代で最強のEVが勝つのだ。その3度目の世代交代が始まった
  • 「次のポルシェ タイカンが出てきたら、難しい」と言いながらも、順調に勝利を重ねるKIMI選手。23号車の連勝はどこまで続くのかにも注目だ
  • 全車にパスされ、さらに大きく引き離されてようやく最後尾スタートを切ることとなった23号車。しかしここからの追い上げがすさまじかった
  • 序盤はモデルS Plaidの100号車を先頭に、モデル3が追いかけるトップ集団という構図が出来上がっていたのだが、その100号車はブレーキトラブルのためリタイアとなってしまう
  • No.23 GULF RACING Plaid (KIMI選手) 予選:1位(1'00.995)/決勝:1位

テスラ モデルS Plaidは現時点で最強EV!?

まだ市販量産EVが登場する以前の2010年にスタートした全日本電気自動車グランプリ(JEVRAシリーズ)。今年で15シーズン目を迎えているこのシリーズがスタートした当初から、最速EVの座をほしいままにしてきたのが、テスラのEVです。これまでに、テスラ「ロードスター」、「モデルS」、「モデル3」と、モデルは変わっていきながらも、つねにこのレースの主導権を握ってきました。2024シーズンのJEVRAシリーズでは、そんなテスラの3度目の世代交代がスタートしています。

モデルS Plaidのすごさを2024年シーズン第2戦で実感

新たな主役となるテスラ「モデルS Plaid」のJEVRA戦初参戦は、2023シーズン最終戦の筑波であった。終日冷たい雨にたたられた2023年10月9日、雨のレースとなった「全日本 筑波EV60kmレース」で登場したテスラ モデルS PlaidのKIMI選手(No.23 GULF RACING Plaid)は、ウェット路面の中、その予選タイムは1分14秒257と、ポールポジションを獲得した「モデル3」の1分6秒671のタイムには及ばず。さらに決勝レースでは、激しいチャンピオン争いを展開する2台が引っ張る5台のテスラモデル3の後ろ、少し様子見をしながらの6位に甘んじたものの、100kWhのバッテリーと、750kWのモーター出力(ちなみにモデル3はバッテリー容量75kWh、モーター出力360kW)を武器に、バックストレートでは時速200km超えと直線の加速は段違いであることを見せつけた。

そして続くモデルS Plaidにとっての2戦目となる、2024年3月10日に行われた2024シーズン開幕戦「全日本 もてぎEV55km レース」では、TEAM TAISANからも同車での参戦があってテスラ モデルS Plaidの参戦は2台になった。モデル3でJEVRAシリーズに長年参戦をし、昨年のチャンピオン争いを展開していた2チームが、このモデルS Plaidが出てきたら「勝ち目はない」と参戦を取りやめてしまっていた。

このもてぎでは、KIMI選手が2分01秒433のベストタイムでポールポジションを獲得。2年ぶりの開催となったこのJEVRAもてぎ戦での前回のポールポジションもこのKIMI選手(モデル3)であったが、そのポール・タイムは11秒も短縮したことになる。そして、もう1台のモデルS Plaidの密山祥吾選手(No.100 TAISAN BIR TESLA S)とともにフロントロウを占めることともなった。11周で行われるこのJEVRA決勝レースでは23号車が後続のテスラ モデル3勢を21秒以上引き離してのポール・トゥ・ウィンを達成している。

そして、2024年4月27日に開催されたJEVRA2024年シーズン第2戦「全日本 筑波EV55kmレース」では、前田琴未選手(No.73 HIGHSPEED Etoile R)も参戦することでモデルS Plaidのエントリーが3台となった。

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