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テスラ「モデルS Plaid」の尋常ではない速さの秘密とは? 全日本電気自動車グランプリでの劇的優勝をレポートします

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

2戦連続でモデルS Plaidがフロントロウ独占

テスラ以外にもトヨタ「ミライ」、日産「アリア」、「ホンダe」やヒョンデの「アイオニック5」など15台によるレース。15分間で行われた予選セッションではKIMI選手(No.23 GULF RACING Plaid)が2戦連続でのポールポジションを獲得(1分00秒995)、そして昨年のJEVRAシリーズ・チャンピオンで、今回初めてモデルS Plaidに乗ることとなった余郷 敦選手(No.100 TAISAN BOSCH TESLA S)が1分01秒308のタイムで2番手と、2戦連続でのモデルS Plaidがフロントロウ独占となった。

筑波コース2000を27周で行われる決勝レースでは、KIMI選手のマシンがトラックモード(ブレーキのホールドが続くと自動的にシフトが「D」から「P」へと入ってしまうことを止める)が入ってなかったのか、スタートできず。一度グローブを外してタッチパネルを操作して、と再スタートに手間取って、最後尾はもちろん、全車に大きく引き離されてのスタートとなってしまう。

しかしスタートしてからは、激しい追い上げを見せバックストレートでは後方車両をごぼう抜き、3周目にはTEAM TAISANの5台によるトップ集団の背後にまで迫り、そのトップ集団を切り崩していく。一方、トップを走行中の100号車のモデルS Plaidはブレーキのトラブルが発生し、コーナーの進入のたびにブレーキから白煙を上げる状態で、23号車は7周目に難なくトップに浮上。100号車はその後ピットに戻ってしまうことに。

レース終盤、2018年からモデルS、そしてモデル3を使って4年連続でJEVRAシリーズを制した地頭所 光選手(No.0 TAISAN BIR TESLA 3)がこの23号車に何度も仕掛けるものの、最後はバッテリーを使い切ってチェッカーは受けられたものの、モデルS Plaidを追い詰めることはできずにレースは終了した。

わずか55kmのレースで、再びトップに立ってポール・スタート、最後尾落ち、トップチェッカーという劇的なレースを制したKIMI選手はこうコメントしてくれた。

「無事に2連勝できてよかったです。次戦も打倒タイサンでやっていきます」

バッテリーを温存する必要もなく、大きく熱ダレすることもなく、セーフティモードが介入することもなく、EVレースを戦うテスラ モデルS Plaid。現時点での最強EVといえる。

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