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「360チャレスト」は約4100万円と高値安定中! 量産フェラーリでも人気集中の跳ね馬初市販ハードコアモデルとは

「360チャレスト」は約4100万円と高値安定中! 量産フェラーリでも人気集中の跳ね馬初市販ハードコアモデルとは

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

360「チャレスト」は高値安定?

このほどRMサザビーズ「MONACO 2024」オークションに出品された360チャレンジ・ストラダーレは、1300台にも満たない生産台数(1288台説が濃厚)のうちの1台で、2004年2月3日にマラネッロ工場からラインオフした個体という記録が残されている。

ボディカラーは、「チャレスト」ではイメージカラーとされていた朱色がかった赤「ロッソ・スクーデリア」ではなく、フェラーリ伝統の「ロッソ・コルサ」。ブレーキキャリパーも共色とされた。またカーボンファイバー製のフレームを持つシート、ブラックのロールケージ、「ネロ(黒)」と「ロッソ(赤)」コンビのインテリアに、赤糸のステッチが施されている。

ドイツのフェラーリ正規代理店「アウトハウス・ゴーム(Autohaus Gohm)」社から、幸運なファーストオーナーのもとに届けられたこの360チャレンジ・ストラダーレは定期的にドライブに駆り出されていたようで、納車から11カ月で1万352kmを走行したという。しかし、コレクターズアイテムとなった近年では使用頻度をより控えめにされていたのか、公式ウェブカタログの作成時点でのマイレージは、RMサザビーズいわく「わずか4万2847km」とのことである

かつてはル・マン24時間レースでフェラーリを走らせたことでも知られる名門ディーラー「シャルル・ポッツィ」から、2022年に現オーナーが手に入れたこの元祖ハードコア系市販フェラーリには、各種取扱説明書や請求書、フェラーリの刻印が入ったサービスブックを収めたレザーウォレットが付属している。

また、4本のカムシャフトの駆動をゴム製ベルトで賄う旧世代のV8エンジンでは、重要なチェックポイントとなるであろうカムベルトは、走行距離4万1537kmの段階で交換作業が行われているという。

このチャレンジ・ストラダーレは、並みいるフェラーリ360ファミリーの中でも格段に魅力的なバリエーションのひとつと目されている。そして「ロッソ・コルサ」外装に「ネロ」内装というフェラーリらしく望ましいカラースキームは、持ち前の魅力をさらに増すともいえよう。

ところで冒頭でも記したとおり、AMWでは次世代のコレクター向けフェラーリとして360チャレンジ・ストラダーレに注目しており、これまでにもいくつかの個体についてオークション結果をフォローしている。

たとえば、同じRMサザビーズ欧州本社が2022年11月に開催した「LONDON」オークションでは、13万ポンド~16万ポンドというエスティメート(推定落札価格)に対して、14万9500ポンド(当時のレートで約2500万円)で落札。比較的安価なハンマープライスに、この時はマーケットがいったん沈静化したとも思われた。

しかし、2024年3月の「MIAMI」オークションでは、30万~40万ドルのエスティメート(推定落札価格)に対して、31万3000ドル(約4750万円)で落札されたことで、360チャレンジ・ストラダーレの評価は再び上昇の兆しを見せたようにも見受けられた。

それらの前例に対して、今回の「MONACO 2024」オークションに出品されたチャレンジ・ストラダーレは、22万ユーロ~25万ユーロのエスティメート(推定落札価格)。実際の競売でも24万1250ユーロ、日本円に換算すると約4100万円という落札価格となったのは、現況におけるこのモデルのマーケット相場が、高値安定のまま落ち着きつつあるということなのかもしれない。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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