豪快な排気音を奏でる2000GTV
アルファ ロメオを愛するジェームス・ギボンズさん(54歳)は、1972年式のアルファ ロメオ「2000GTV」で日本国内のクラシックカーレースに参戦。現在はイギリスに在住し、10台以上のアルファ ロメオを所有しています。ヨーロッパでもレースを楽しむジェームスさんの「2000GTV」は、豪快な排気音を奏でる1台となっています。
ボディレストアをイギリスで実施
クラシックカーでモータースポーツを楽しむオーナーが増えており、サーキットを会場としたレースや走行会が各地で盛んに開催されている。千葉県にある袖ヶ浦フォレストレースウェイで2024年3月10日に開催された第44回「東京ベイサイド・クラシック・カップ・シリーズ(以下:TBCC)」は、サーキット走行会「第14回ファミリーサーキットデイ」と併催され、クルマを操ることの楽しさを再確認したイベントとなった。
世界を股にかけるビジネスマンのジェームス・ギボンズさん(54歳)は、1972年式のアルファ ロメオ「2000GTV」でTBCCに参戦。エントリーしたのは「クリスタル・カップ」というカテゴリーで、予選、決勝時いずれかのベストラップタイムが1分25秒台~27秒台のクルマによって争われている。ジェームスさんは総合5位というリザルトでフィニッシュした。
「以前は、今回参加したクルマとは異なる2000GTVでアルファ ロメオのワンメイクレースであるAR-CUPを走っていました。その頃は日本に住んでいましたが、現在は妻の実家があるイギリスに住んでいます。ヨーロッパでもレースを楽しんでいて、ミラノオートサービスという日本のスペシャルショップに製作してもらったFIAスペック・レースカーのジュリア TIをイギリスに持って行きました」
じつは今回取材した2000GTVは、ボンネット、トランク、左右ドアのFRP化、オーバーフェンダーの取り付け、フロントウインドウ以外のアクリル化などの作業メニューを含めたボディレストアをイギリスで実施しており、全体的に「1750GTAmトリブート」と呼べる贅沢なスペックとなっている。
イギリスでモディファイされたアルファ ロメオをイギリスに自宅があるジェームスさんが日本で走らせているのだから、なんだかオモシロイな、と思ったら、こういうことだった。
「2023年に購入したこのクルマでエントリーできるイギリスのレースは、ダンロップのヒストリックタイヤ・オンリーなんですよ。日本はモータースポーツの使用を前提に開発された高いグリップ力を誇るSタイヤの装着が可能なので、ジャパン・オンリーとして楽しんでいます。シンガポールで乗るアルファ ロメオとして、アルフェッタGTも愛用しています」
街乗りもこなせるレース用セッティングを行う
この2000GTVは、2018年にミラノオートサービスが日本で登録。その後、1750GTAmトリブートとしての資質向上を目的として、同社において1750GTV用ダッシュボードのレストアを行った。キルスイッチ、4点式ロールケージ+サイドバーの取り付け、配線類の修正などを実施したそうだ。
「エンジンがアルファ ロメオ 75TS用ヘッドになっている2Lなのでハイパワーです。ギアボックスはノーマルで、デフのファイナルギアのみ変更してます。足まわりは、ミラノオートサービスオリジナルの街乗りもこなせるレース用セッティング。シチュエーションを問うことなく、乗っていて楽しいですね」
TBCCに参戦するのは今回で2回目だと話してくれたが、ジェームスさんはイギリスやシンガポールでもアルファ ロメオを走らせ、上記で紹介したクルマ以外にも、また別のアルファ ロメオ「2000GTV」、「1750GTAmレプリカ」、「1300GT ジュニア」、「ジュリア スーパー」、「ジュリア スプリントGTヴェローチェ」、「アルフェッタGTV6 3.5」、「ジュリエッタ」(116型)、「ジュリエッタ」(現行)、フィアット「ディーノ」、フェラーリ「308」、ポルシェ「912」、「ミニ」(クラシック)なども愛用している。今後、TBCCにおいても上位の常連として注目されるはずだ。